今年もカクヨムコンが始まりました(後編)――昨日と今日の「カクヨムからのお知らせ」について――

   

 カクヨムコンが今日から始まったのに伴って、昨日と今日でいくつかカクヨムコン関連の「お知らせ」が出ていますね。


作品投稿3年以内に作家デビュー!?カクヨムコン7受賞者アンケート公開!

https://kakuyomu.jp/info/entry/webcon8_questionnaire


【12/1~1/31】「第8回カクヨムWeb小説コンテスト」「カクヨムWeb小説短編賞2022」応募受付を開始しました

https://kakuyomu.jp/info/entry/webcon8_start


【コンテスト応募のルールについて】カクヨムコン8に応募する前にご確認ください

https://kakuyomu.jp/info/entry/webcon8_notes


【11/30~12/6】 #カクヨムコン8スタート 書き出しツイートキャンペーン

https://kakuyomu.jp/info/entry/webcon8_tweet_cp


 このうち、私が興味深いと感じたのは昨日の2つです。

 まずは、書き出しツイートキャンペーン。


>Twitterで#カクヨムコン8スタートのハッシュタグをつけて、

>作者の皆様は「第8回カクヨムWeb小説コンテスト」または「カクヨムWeb小説短編賞2022」に応募しようと思っている作品の書き出しを、


 という話なので、長編だけでなく短編も対象です。「カクヨムWeb小説短編賞2022」の方には『8』という数字は含まれていませんが、こちらもしっかり「カクヨムコン8」の範疇ですね。

 ……というような話は以前もしたような気がする、と思って過去のエッセイを確認したら、これでした。


https://kakuyomu.jp/works/1177354054889095417/episodes/1177354055383098153


 カクヨムコン6の時ですね。その時も#カクヨムコン6というハッシュタグについての話でした。


 なお、今回の「#カクヨムコン8スタート 書き出しツイートキャンペーン」。私も昨日、早速参加してみました。

 短編の方でも良かったのですが、せっかくならば参加時点で投稿済みのものを。そう考えて『緋蒼村連続殺人 ――転生したら殺人事件の真っ只中――』の書き出しをツイートしました。

 ハッシュタグをつけてTwitterの文字数制限も加味すると、こんなツイートになりました。


>#カクヨムコン8スタート

> 目が覚めた時、俺は不思議な感覚だった。

> まず気づいたのは、自分が寝ている場所の違和感。ベッドの上ではなく、畳敷きの和室に敷かれた布団の中だったのだ。古い映画に出てくる日本人を思い浮かべて、まるで他人事のように感じてしまう。

> そして、傍らには一人の女性が


 こうして改めて見てみると、あまり良い書き出しとは思えません。そもそもこれ、言い方こそ少し違いますが、いわゆる「見知らぬ天井だ」ってやつですよね? 確か昔の二次創作小説の界隈で「それがあるだけで『類型的』として読者に避けられてしまうから使わない方がいい」という決まり文句の一つだった気がします。



 続いて【コンテスト応募のルールについて】の方のお知らせ。

 確か去年までも似たような告知がありましたよね。

 そう思いながら今年のお知らせを見ると、以下の7項目が記載されていました。


>他社からの商業打診があった場合は、受ける前にかならずカクヨム運営へご連絡ください


>応募部門を変更するとランキングスコアがリセットされます


>ランキングスコアは読者からの評価が優先されます


>応募作が自主企画に参加した場合、同自主企画に参加しているユーザーからの作品評価は無効となります


>参加コンテストの中間選考が終わった段階で、別のコンテストに応募できます


>コンテスト応募作品も通常ランキングの集計対象となります


>カクヨムでの作品評価とコミュニケーションについて、ユーザーの皆様へ知っておいていただきたいこと


 今さら改めて言われずとも、今まで何度も見てきたような注意点ばかり。

 そんな中、一番上が「他社からの商業打診があった場合は、受ける前にかならずカクヨム運営へご連絡ください」なのは少し興味深いと思いました。


 カクヨムコンに限らず、おそらくどんなコンテストでも付記されている注意事項でしょうが、基本的には読み流してしまう内容ですよね。

 だって商業打診なんて、ほとんどの応募者には関係ない話ですから。何かのコンテストで受賞したから商業化される、というケースならばまだ理解できますが、一般的にコンテストに応募するのは他のコンテストで受賞していない作品のはず。それなのに商業化の声がかかるなんて……。

 かなり対象者は少ないだろうに、そんな注意書きをわざわざ一番目立つ最初に持ってくるのですから、カクヨム側からみればよほど重要な話なのでしょうね。


 そもそもカクヨムはKADOKAWA関連の小説投稿サイトであり、いわば出版社直轄の小説投稿サイト。だから全てのカクヨム投稿作品が――私の作品も皆様の作品も含めて――KADOKAWAから出版される潜在的な候補であり、コンテストに応募せずともカクヨムに投稿しただけで「商業打診を受けたらカクヨムに連絡」というルールが適用されます。

 投稿作品に関するガイドラインには、次のように書かれていますからね。


>外部企業から出版やゲーム、映像など商用利用に関する問い合わせがあった場合

>KADOKAWA社内においても既に検討に入っている場合がございます。まずは運営までご一報ください。該当部署に確認の後ご連絡させていただきます。


 これがあるのに、そして上述のようにほとんどの応募者には関係ないはずなのに、わざわざ「お知らせ」の目立つ位置で改めて告知しているのです。

 ガイドラインの文面と比べて、今回の「お知らせ」の記述では、


>応募作品に対して、KADOKAWA以外の第三者より書籍化などの商業打診があった場合は、連絡が来た段階で(打診を受ける前に)かならずカクヨムお問い合わせ窓口よりご連絡ください。


 というように『連絡が来た段階で(打診を受ける前に)かならず』と念押しされていました。

 以前にどなたかのエッセイで――あるいはその応援コメント欄で――「ガイドラインの『ご一報ください』は、実際には打診段階でなく商業化が決まってからの事後報告でも構わないらしい」という話を見た覚えがあります。なるほど、ならば今回の「お知らせ」の『連絡が来た段階で(打診を受ける前に)かならず』という但し書きは意味があるのですね。


 こうしてわざわざ「お知らせ」で注意するのも、カクヨムコンが普通のコンテストとは違う、カクヨム最大のお祭りだからこそでしょうか。

 私もカクヨムコンの応募者でありながら、どう考えても自分には――そして多くの応募者にも――全く無関係な注意書き。でも無関係だからこそ他人事として外から見ることが出来て、改めて考えさせられるのでした。

   

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