第11話

終章 旅の始まり 


 雉間が息を切らしながら走る。

 落下する岩剣の真下でうなだれて立ち尽くす少女まで、あと少し――。

「どりゃあぁっ!」

 思い切り地面を蹴り、勢いよく飛び込む。

 ほとんどタックルを決めるような形で少女を落下地点から回避させることに成功する。

「ふぅ、間一髪――」

 胸をなで下ろした直後。

「――!?」

 ズドン、という重低音。

 一瞬前2人がいた、まさにその場所に大剣が突き刺さる。

「へへおっかねえやい。けどこれでオイラも貸し借りなしだな」

 満足そうな笑みを浮かべて雉間は押し倒していた少女の上からどく。

「にしても……随分ひでえ有様だな」

 村の惨状を見渡しながら呟く。

「遠くから山火事が見えたもんで火事場泥棒のし甲斐があると思ってきてみりゃあ、あんたが鬼退治に来てたところだろ?こいつぁ変だと馳せ参じたら今度は命の恩人が命の危機なんだもの。オイラびっくらこいたよ」

 いくらか眉を顰めて不快感を示しているようではあった。

 けれど、この惨状を目の当たりにしても嘔吐したり、恐怖のあまり足がすくんで動けなくなるといった様子はまったくない。

 それどころか、雉間はその年にしてすっかりそういった景色に「慣れて」いるようにさえ見えた。

 そんな雉間の様子に驚きもせず、礼も言わず、少女はむくりと起き上がる。

「なんでじゃましたの?」

「は?」

「鬼を、殺す……」

「おいおいおい、まだ近くにいんのかよ!」

 地獄絵図を目の当たりにしても比較的平静を保っていた雉間も、自分の身の危険となると途端に目の色を変えてあたりを警戒する。

「……オイラにゃあ見えねえけど」

「いる」

「どこにさ?」

「ここ」

 そう言って少女は地面に突き刺さった大剣を引っこ抜く。

「あんたまさか、さっきのって自分で……」

 雉間の目が驚きで見開かれる。

「そう」

 少女は淡々とした声で答える。

「わたしを、殺す」

「おい待てよ、馬鹿言うなって!」

 雉間は追いかけて大剣の重量に不釣り合いな少女の細く白い腕をつかむ。

「鬼を殺すって、そりゃ半分くらいは鬼の血も流れてっかもしんないけど、残り半分は人間の血だって混じってんだろ!」

「かんけいない。どんなすがたをしていても、鬼は鬼」

「でも別に悪いことしたわけじゃねえだ――」

「した」

「へ?」

 必死に説得しようとする雉間の声を遮って、少女は自分の罪業をぶちまける。

「ここにいるひと、みんなわたしが殺した」

「うそ、だろ……」

 さすがの雉間もこれにはたまらず顔色を失う。

 恐ろしいものを見る目で後ずさってまじまじと少女の感情のない瞳を見つめる。

 あまりの驚きに目が離せなかった。

 周囲の惨憺たる様子が、そのまま少女の底知れない狂気を物語っているのだった。

「なんで、んなこと……」

 呆然と疑問を口にすると、少女は初めて悲しそうな顔になった。

 迷子になった子どものようだった。

 切なく眉を崩して、痛ましい感情を抑え込もうとするように俯く。

「……なにか訳があったんだな?」

 その様子から察した雉間が救いの舟をだそうとする。

 けれど、少女はそれに乗ろうとはしない。

「……ない、なにも。ただ鬼がここにいるだけ」

「なんの理由もなくここまでえげつないことするようなやつにゃ見えねえよ」

「ただのまちがい」

 なけなしの気遣いも一言のもとにばっさり切り捨て、

「このはなしはおしまい」

 と強引に打ち切る。

「なあ、まだ終わっちゃいな――」

 それでも雉間がわけを聞こうとすると。

「うるさい!」

 人形のように大人しい少女が初めて激しい感情をあらわにする。

 それは、ほとんど悲鳴に近かった。

 自分にも誰にもどうすることなどできないと知っているから。

 助けないでくれ、もう放っておいてくれと悲痛な声をあげるのだった。

 そして怨念のこもった暗い目で雉間を睨みつけ、

「じゃまするのなら、あなたも――」

「殺す、のか?」

 こく、と頷く。

 雉間はそれを聞いて冷や汗を流す。足も震えだす。

 そうして身体は怯えているのを知りながら、しかしそれでも強がりを言い放つ。

「い、いいぜ。どうせあんたに救われた命なんだ。あんたに取られんなら文句はねえや」

「…………」

「けどな、目の前で自分の命粗末にしようとしてるやつを見んのはたえられねえやい。だから言わせてもらうぜ――」

 自分の目を覗き込む少女の瞳を、まっすぐに見つめ返して宣言する。

「あんた、鬼なんかじゃねえ」


 なおも雨が降り続いている。

 自分は鬼などではないと、目の前の少年が言う。

「ちがう、わたしは鬼」

 モモはいやいやをするように必死にかぶりを振る。

 それでも少年はモモが逃げようとするのを許してはくれない。

「いいや違わないね。オイラ世の中の底辺でずっと世間様を見上げて生きてきたから人を見る目だけは確かなのさ。そのオイラが言うんだから間違いない。あんた鬼じゃないよ」

「…………く!」

 その淀みない弁舌を、モモはどうすることもできない。

 ただ、相手の言葉が耳から侵入してきて、自暴自棄になることで必死に自分を守ろうとする強がりをズタボロにしてくるのに耐えるしかない。

 その言葉は、声は、素直になれと迫ってくるのだ。

 そんなことを認めるわけにはゆかなかった。

 それなのに、少年の声は消えてくれない。

「それにあんた言ってたろ、人の姿をしてても鬼は鬼だって。じゃあ逆だってありうるだろ。鬼の姿をしていても鬼の血が流れていても人は人なんじゃねえのかい」

「それ、は……」

 モモの脳裏にアオイのことが浮かぶ。

 その優しい匂い。温かい笑顔。美味しいご飯。大切な思い出。

 ――アオイは、アオイは鬼だけど鬼なんかじゃなかった。

「それにあんたが村のやつらを殺したのだとしても、なにかの理由があるんだろ?だったら無罪とまではいいやしないけどが間違いくらい誰にだってある」

 少年、さらりとなかなかに物騒なことを口にする。

 これにはたまらずモモも質問してしまう。

「こんなにたくさん殺しても?」

「ああ、そうさ」

 なんと。

 驚くべきことに、少年は自信満々に断言する。

「人間が鬼を憎んで、鬼斬を育ててまで皆殺しにしようとすんのは大事なもんを鬼に奪われたからだろ。だったら大事なもん奪われたやつが人間皆殺しにしたって、そんなのお互い様としか言えねえだろ。オイラあぶれもんとして爪弾きにされて生きてきたから、やれ人間がどうとか鬼がどうとかまるで興味ないね。どっちもその辺の獣と変わりゃしねえ。今日食う飯のほうが大事さ」

 ぶっとんだことを平然と言ってのける。

 けれど、鬼斬として生きてきたがゆえにこちらもぶっとんだ価値観しかもたないモモには、それもなんだかもっともらしいこととして聞こえる。

「だから、あんたが死ぬこたぁねえよ」

 そう言われても分からない。

 分からないのだ。

 それならば一体どうすればいいのか。

 どうすればよかったというのか。

 なんだかひどく辛くて、悲しくて、やるせなくってたまらない。

 今までずっと知らずにいた感情の奔流に押し流されて、もう心も頭の中もぐちゃぐちゃになっていた。

 このごく短い時間に起きた変化が、あまりにめまぐるしすぎたのだ。

 もうとてもついていけはしない。

 大切なものができて、それが奪われて、奪い返しても何も残らなかった。

 途方に暮れたモモは、とうとう年相応に泣き出してしまう。

 救いを求めるように雉間を見上げて、答えを問う。

「でも――じゃあ、わたしはこれからなにを殺せばいいの」

 鬼斬として生きてきたモモには、何も殺さない生き方など見当もつかなかった。

 殺すことから逃れられないとするのなら、じゃあ一体何を殺すべきなのか。

 雉間は膝をついて、座り込んだモモに目線を合わせる。

「それを見つけるために生きなよ」

 その目には今まで見た誰よりも迷いがなかった。

「分からないことがあるんなら進むしかねえ。迷いが残るんだったら踏み越えていかなくちゃならねえのさ。あんたがどうしても鬼を殺さなきゃ生きられねえってんならそこに文句はつけないよ。けどな、本当に断つべき鬼はなんなのか――自分を殺すのはそいつを見極めたあとでも遅くはねえんじゃねえか?」

 だから生きろ、と雉間は言う。

 行儀良く振る舞うのでも、悟った風を気取るのでもなく。

 すべてを人のせいにして憎むのでもなく。

 自分がすべて悪いのだと自暴自棄になるのでもなく。

 生きて、生きて、生き抜いて納得できる答えを見つけ出せという。

 そうして。

 これまで強気だった雉間がここにきて、すがるような顔になる。

 感極まった風に肩をふるわせ、しまいには雉間まで泣き出しながら言葉を続ける。

「オイラだってよぉ、あんまり惨めで悔しくって寂しくって、世の中なんてクソだって、人生なんてゴミだって、何度も何度も、何度だってよぉ……」

 雨に打たれながら、二人の少年と少女の泣き声が夜に溶けていく。

 少年は嗚咽を漏らしながら、

「でもよ、オイラたちやっぱり生きなきゃなんねえ。せっかくこの世に生まれ落ちて、必死にここまで生きてきたんだ。最期まで意地でも生き抜かなけりゃあ、そんなの嘘だぜ」

 そしてモモの肩を力強くつかむ。

「死んじまったら全部無駄になっちまう。あんたが今まで一生懸命やってきたことも、他人があんたのためにしてくれたことも全部、なにもかも。そんなのオイラはイヤだ。絶対にそれだけはイヤなんだ」

 その言葉にモモもはっとする。

 アオイもいなくなる。

 いなくなってしまうのだ。

 出会ったことも、悲しいことも、重ねた日々も。

 ここで自分が死んでしまったら、あの思い出も記憶もアオイの存在も全部。

 消えてしまう。

「いやだ。そんなの、いやだ」

 我知らずモモは呟いていた。

「だから、生きるんだよ」

「どうやって……?」

「逃げるのさ」

 涙を拭いて、少年がまっすぐな瞳で告げる。

「まずは逃げて逃げて、とにかく生き延びる。迷うのも後悔すんのもそのあとだ」

 それから立ち上がり、モモに手を差し伸べる。

「立てるかい?」

「…………」

 モモも迷ったすえにその手を取る。

「よし、そうと決まりゃ早いとここんな地獄とんずらしようぜ」

 少年はモモの手を力強く握り返すと、イタズラっぽく、にっと笑った。


 それから二人は夜通し逃げ歩いた。

 暗い木々を抜け、ぬかるむ道を越え、雨で増水した川を渡り、そして山を登った。

 今いるのは頂上。

 本当はあたりが一望できるはずなのだが、未明のこの時刻には暗くてよく見えない。

「ぜえぜえ、ふぅー。やっとこさ辿り着いた。ここまでくりゃあさすがに追っ手も届かねえだろ」

 乗り越えてきた山を振り返る。

 が、後ろに広がるのはどこまでも広がる夜の闇である。

「にしても、さすが鬼の子。タフな身体してやがる」

 少年は少女に向き直って、その体力に賞賛を送る。

 肩で息をする少年と対照的に少女の呼吸はなんの乱れもなくあっけらかんとしてる。

 その無表情のまま、

「どうすればいいの?」

 と尋ねてくる。

「はあ~またそれかよ。ほんとせっかちだな」

 実はここに来るまでも、途中少年が休憩を挟むごとに同じことを聞いてきたのだ。

 そのたびに「今はそれどころじゃない」とかわしてきたが、もう逃げようがない。

「これからわたし、どうすればいいの?」

「そんくらい自分で考えなよ。よくそんなんで生きてこられたな。……オイラも他人のことなんざ言えねえけどさ」

 自分一人では何も決められない少女。

 自分一人では狼の群れさえも倒せない少年。

 欠けたところなんて誰にでもある。

 それをいちいち挙げだしていけばキリがない。

 だからそんなことを置いて、楽しいことを考えることにした。

 少年は荷物の中から袋を取りだして覗き込んで「うひょー」と声を漏らす。

 その袋の中には火事場泥棒であの村から盗んできた硬貨の袋が入っている。

「すげえ、百円硬貨がこんなに!あ、五百円硬貨もある!」

 たくさん金のつまった袋を見るほど愉快なことはこの世にない。

 そんな風にまるでとりあってくれない少年に、少女はぽつりともらす。

「でも、鬼殺すことしかしらないから……」

 無表情な顔色が一変。

 自信がなさそうに俯いてもじもじと話す。

「なんでえ。あんだけ強いくせに変なやつ」

「…………」

 そんな言葉を言われても言い返さずに、しゅんとしている。

「…………んー」

 でも、なんだか放っておけないところがある。

 少年は手元の袋を改めて見る。

 思えば、こいつが暴れてくれなけりゃこの金も手に入らなかった。

 今持っている命も財産も、あれもこれも何から何まですべてこいつに貸しを作ってしまっているのだった。

 それは……人に貸しを作ったままなのは、なんだか少し据わりが悪い。

「あーー、しょうがねえ。わーかったよ」

 吹っ切れたように少年が言う。

「じゃあこうしよう。あんたオイラの用心棒になってくれ」

「ようじんぼう?」

「そ。オイラの身に危険が迫ったら守ってくれ」

「まもるのは、どうしたらいいかわからない」

 相変わらずの、この物言いである。

「あー言い方が悪かったな。オイラの命を狙ってくるやつを殺してくれ。狼とか、山賊とか、鬼とか、そういうのさ。ちゃんとお給料も出すから」

 ぱんぱんに硬貨の詰まった袋を見せる。

「それならできる」

 少女は途端に自信を取り戻したような顔つきになる。

 それで表情が明るくなるのもどうかと思うが……まあ気にしない。

「でも、それはわるいやつらなの?」

 少女は無条件に誰かを殺すことに疑問を持ち始めていた。

「あー……良いか悪いかってのは一言では片付けにくいな。なにせ向こうにゃ向こうの都合ってやつもあるだろうからなぁ」

「…………」

「でも、ま。お互い命あっての物種だろ?オイラも余計なリスクや戦いは御免被りたいけど、どうしてもやらなくっちゃいけねえときはある」

「あいてがわるくなくても?」

「そんときゃ逃げるが勝ちさ」

「にげる?」

「ああ。別に喧嘩ふっかけられたからってわざわざ買ってやるこたぁない。逃げる方が得ならオイラ、迷わずそっちを選ぶ。性根の善良な連中と一戦交えるのも後味悪いしな」

「……そう」

「だから安心してくれ。オイラだって無闇にあんたの手を汚させたりはしないよ。命奪うのは、どうしてもそれ以外にどうしようもないって時だけさ」

「わかった。そういうことならまかされた」

「よし、じゃあ決まりだな。そんじゃとりあえず東の町でも目指してみるか」

「そこにいってなにするの?」

「そんなの歩きながら考えりゃいいだろ」

「…………?」

「やれやれ」

 少女は不思議そうに首をかしげる。

 少年は一段高い岩に昇って、舞台にあがった役者のように手を広げる。

「昨日までの話はもう終わったんだ」

 そうして自信満々に少女に向かって語りかける。

「これからは楽しい明日の話をしようぜ。今までは鬼を殺してばっかりの日々だったかもしんねえけど、んなもんもう過去の話だ。世の中にはもっと面白いことがたくさんある。ものすごい絶景とか、ど派手なお祭りとか、ほっぺた落ちるほどうめえ食いもんとかさ。まだまだオイラたちの知らねえ楽しいことばっかりだ」

 次第に空が白んでくる。

「別に、分かんないことだらけでも、迷いながらでもかまやしねえやい。考えて歩いた分だけ人は進むのさ。進み続けたなら、いつの日か答えに辿り着ける日だってきっと来る。『ああ今まで生きてきて良かった』とか『自分はこれを為すために今までのことを経験してきたのか』とか、そんな風に思える何かがきっとあるはずなんだ」

 遠く朧気に浮かぶ町並みが、少しずつその輪郭をあらわし始める。

 その、微かに見える遠くの町を見やりながら、

「今なら金だってたんまりある。とびきり腕のいい用心棒までついてやがる。オイラ生まれてこの方、こんなにツキに恵まれたのは初めてだい。村の連中にゃ気の毒だけど明日のことが楽しみでしかたがねえ」

 それから少女に向き直って、

「オイラたちはこれから、これまで知りもしなかったとびきり面白い人生に出会うんだ。そんなときに、んなしけた面してっとせっかくのツキが逃げちまうぜ。だから笑いなよ。笑う門には福来たるってな」

 そういってにこっと、年相応の無邪気な少年らしい笑みを見せる。

「――!!」

 そのとき、目映い光に少女の目がくらんだ。

 長く深い夜を突き破って、朝の光が地平線から生まれ出てきたのだ。

 夜の終わりを告げるその光が、山を、町を、空を、そして心を黄金に染め上げていく。

「…………」

 ただ、そのとき胸に浮かんだ想いをどうやって言葉にするのかは、まだ知らなかった。

「んー。ま、いきなり生まれ変わってのが無理な話か」

 少女が返事をよこさずとも、少年には特段不満そうな様子はない。

 さすが苦労人を自称するだけあって割り切るのは早いということなのか。

 それとも割とドライで無関心なところもあわせもっているということなのか。

「にしても、これから一緒に旅するってんのに、あんた呼びじゃ不便だよなあ。なんかいい呼び名でもありゃいいけど――」

「モモ」

「へ?」

 予想外の返事がここでやってくる。

「わたしのなまえ、モモ」

 そう教えてくれた少女の横顔が、どことなく嬉しそうだった。

 なにか温かい思い出でも語っているかのように。

「なんだよ、ちゃんと名前あるんじゃないか」

 だから、見てる少年まで嬉しくなって笑うのだった。

「ところで、オイラの名前は覚えてる?」

「んー……? き、き、き……」

 モモは必死に思い出そうとしてくれている様子。

「お、そうそう、近い近い」

 ところが。

「きじ?」

 最後の一文字までは辿り着けなかった。

「……近いけど、よだれたらしながら言わないでくれ」

 言われてモモはよだれを拭く。

「でもま、あながち間違ってもないぜ。オイラは雉間千里。センリでいいよ」

「セン、リ」

 モモはその響きを確かめるように、もう一度呟く。

「そそ。よろしくな、モモ」

「うん、よろしく。センリ」

 そうして。

 罪に汚れた一人の鬼斬と、居場所をもたない一人の孤児は。

 自分たちの生きる意味と幸せと、なすべきことを見つけるために、鬼たちのの跋扈する修羅の世界を二人で一緒に旅することに決めたのだった。

 ――遠く、見渡す地平線から。

 生まれたての太陽がどこまでも広がる天地を照らし、燦然と輝いていた。

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地を這う修羅と百鬼夜行 阿部慎二 @abe58789

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