個人的に馴染みのある地域なので、下北沢にまつわる話を読んでみたいと思って辿り着いた作品です。出だしからして奇抜、ストーリーが進むにつれ展開される風邪引いたときの夢みたいなぶっ飛んだ世界、でありながら情熱あふれる青春バンド物語……なんだけど、最後まで一筋縄ではいかなくて。バカでスケベな野郎どもの解像度が異様に高く、読んでいて吹き出すこと幾度。劇中に登場するロケーションは、知ってる人なら「ああ、あのへんね!」となること請け合いです。
独自性の道を飄々と歩む作品であり、軽妙な文章とキャラクターが魅力的な作品であり、そしてその実に奇妙な設定が先を読ませない。○○○とは何なのか……一筋縄ではいかない作品です。