転生担当女神です。え、チートスキル「相撲」ですか?
梧桐 彰
転生担当女神です。え、チートスキル「相撲」ですか?
「ハイ次の方どうぞ。おめでとうございます。私は異世界転生担当の女神です。あなたの死因はトラックによるものでした。規定によりチートスキルを一つ入手の上異世界へ転生いただきます。
選択はその世界で通用するものに限られています。特殊なご希望または包括的なご希望も場合によっては認められますので、思いつくものがあればご質問をお願いします。なお、拒否も認められます」
「異性からの好感度設定」
「モテまくりですね問題ございませんスケベ。次の方どうぞ。おめでとうございます」
「スローライフ」
「超絶スローなやつをご提供いたします。釣りとかしてれば生きてけるわよ。次の方どうぞ。おめでとうございます」
「鎧3つ」
「慎重ですね。次の方どうぞ。おめでとうございます」
「全体攻撃で二回攻撃」
「はいリストに登録があり認められます。お母さんがんばってくださいね。次の方どうぞ。おめでとうございます」
「スマホ」
「電波入らないですけどいいですよ。次の方どうぞ。おめでとうございます」
「悪役令嬢」
「スキルじゃないと思うんだけどまあいいや。次の方どうぞ、おめでとうございます」
「スライム」
「希望するパターン初めて見たわよ。次の方どうぞ、おめでとうございます」
「自衛隊」
「古いの知ってますね。信長になれますように。次の方どうぞ。おめでとうございます」
「現世に戻る」
「それは認められません。出版社の売り上げがかかってるのでダメです」
「なに出版社って」
「カドカワです」
「そんなハッキリ言っていいんだ」
「いいんですラノベだから。別の思いついたら教えてくださいね。じゃ、次の方どうぞ。おめでとうございます」
「相撲」
「相撲」
「相撲をお願いします」
「ええと。ちょっと聞きたいんですけど、あなた力士ですよね。というか関取ですよね。ものすごい体格だしマゲ結ってるしまわし締めてるし」
「そうでごわす」
「本当にごわすとか言うんだ」
「いえ、実はあんまり言いません。ちょっとキャラ作ってみました」
「うわ、すごい肩透かし食らった」
「決まり手で多かったですよ」
「うまいわね」
「いや事実なんです。難しい技なんですけどね」
「肩透かしって見たことないなあ」
「栃煌山が時々やりますかね」
「そこまで知らないけど、とにかくあなた相撲いらないでしょ。もうできるでしょ」
「そうなんですけど異世界で通用するかな」
「通用するもなにも、転生先の異世界は相撲っていう概念がないわよ」
「なんならあるんですか」
「剣と魔法よ」
「異世界相撲っていうのありませんか」
「ググればWeb小説にいくらでもあるけど、とにかく私が担当している異世界には相撲がないわ」
「せめて土俵と両国国技館はあってほしいなあ」
「その二つ、ものすごい差がない?」
「行司に木村庄之助も欲しい」
「転生者を増やすのはちょっと」
「相手がいないのも寂しい」
「異世界に行ってまでよくそんなに相撲やりたいわね。そのレベルで相撲したかったんだ。渡せるのはチートスキルって言ってるでしょ。相撲そのものを異世界に移植するのは考えてなかったわ」
「相撲好きなんですよ」
「死因なんだっけ?」
「相撲です」
「少しは恨みに思ったりしないわけ?」
「ここでも相撲できるなら別にいいかなって」
「そこまで言うならなんとかできるようにしてみようかなあ。調べたら一応できそうだから、本場所開催することにしたわ。御免祝いもしてあげるわよ」
「ごっちゃんです」
「おめでとうございます」
【了】
転生担当女神です。え、チートスキル「相撲」ですか? 梧桐 彰 @neo_logic
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