悩んだとき、迷ったときにほっとひと息吐けるような、そんな物語でした。場面や心情、雰囲気が丁寧に描かれていて、私自身も気づかずにいた悩みをここに置けたような、そんな気分になりました。
　素敵な物語をありがとうございます！

とても美しい文章で読んでいて気持ちがいいです。登場するカフェの描写もキレイな景色が思い浮かびました。ずっと読んでいたいと思える作品です。

　主人公は既婚女性。結婚記念日を忘れた夫に腹をたて、家を飛び出してきた。
　財布を持たない彼女は、見かけないコーヒー店の店主に誘われるまま、エルダーフラワーのお茶を頂くことに……。季節の花々が咲き、店主の名前がするりと口から出るという不思議なコーヒー店。
　店主に促されて主人公が目にしたのは、夫が必死に主人公を探す姿だった。そして、夫が探していたのは、どこも主人公との思い出の場所ばかりだった。主人公は夫が自分のことを本当に考えて行動していることに気づき、夫の元に戻ることに。
　
　そして店主から告げられたエルダーフラワーの花言葉。
　これを忘れなければ、きっとうまくいく。

　お互いのことを想うことの大切さが、心を満たす一作。

　是非、御一読下さい。

ファンタジー系のカフェの話です。綺麗な文体で描かれているので、実際にあっても違和感ないです。

エルダーフラワーてなに、と思ったら読んでみて下さい。優しい気持ちになれると思います。

　そのハーブがセイヨウニワトコといい、花は薬用として風邪に効くというのは本作を読んでいて初めて知った。
　大切な日（敢えて人の気持ちとはいうまい）を失い、さ迷う放浪者の心を暖めたのは。　詳細本作。

ときには、こういう話に浸りたいことが誰にもあるのでしょう。
ただ、単に甘いだけでなく、はっと気づかされることもある－－そんな要素をどの作品にもほどよく散りばめてくる柊さんは、老若男女問わず楽しめる恋愛ものを書ける貴重な作家さんだと思います。