鳥籠

由良霞澄(ユラカスミ)

第1話

「私は鳥籠の中に居る小鳥のようね」

彼女の言葉に僕は返せる言葉が見つからなかった。

「でも、いつか私はこの鳥籠の外へ出たい」

彼女は目を伏せながらそう呟いた。

「外へ出て、待ち望んでいた世界が広がっていなかったとしても行きたいのかい?」

僕の問いに彼女はすぐ答えた。

「ええ。」



------トッ-----



彼女はそう言うと、4階のこの部屋の窓から飛び立って行った。

鳥籠の外を見れた彼女は僕が見たことないような笑顔のまま空を羽ばたいた。

あの笑顔をきっと僕は一生忘れられないだろう。




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鳥籠 由良霞澄(ユラカスミ) @zuu0108

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