70億年後
春夏秋冬
第1話 朝
彼女は僕の"太陽"だった。
こんな風に言うと何だか格好つけているようで、僕自身も気がひけるが、彼女は間違いなくそういう類の人だったのだ。いや、きっと今もまだ…。
彼女、優葵が亡くなって今日でちょうど三年になる。この三年間は優葵が居ないことに慣れるので精一杯の日々だった。気がつくともう大学では就職だのその先の進学だのの話が数々されていた。長かったといえば長かったし、過ぎ去ってみると案外短いとも感じた。それは、この手紙の所為でもあろう。僕は毎月の恒例にもなっている手紙を玄関の郵便受けの中から慣れた手つきで取り出した。手紙には丁寧な文字で宛名が書いてある。
○○○号室
岩村 弘毅様
送り主の名前が書いていないことから最後だと容易に想像できた。そう思うと今読んでしまうのも惜しいだろうと感じられたので、帰ってきてからゆっくりと読むことにした。朝の一分一秒は夕の一分一秒の三千倍は貴重だ。僕は急いで身支度を整え、家を出た。
70億年後 春夏秋冬 @ma9ronn1m3ofuusa0
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