閻魔様がおくりびと。

亡者を選定する日々、課せられた仕事に飽き飽きしていた地獄の門番たる閻魔大王はある日一人の少女の魂と出会う。初対面にして"貴方の仕事は生産性がない"と罵倒された閻魔は苛立ちの侭に少女を審判する事無く地獄道への門へと突き出してしまうが、少女は死んだ魂では無くまだ生きている身で死後の世界にやってきていたのだった。少女は、現世で特殊清掃作業をしているという。"孤独死した一人の男の生涯について調べて欲しい"、そんな願いの下彼女はあの世にやってきたのだった。
善悪ではなく、生涯を観ろと言うのか？何故かその言葉が引っ掛かり、腰を上げた閻魔は現世へと降り立つ。自前の能力で出来る事は唯一つ、その者が死ぬまでの一生を覗き見、事実を知りたい遺族へと伝える。取り残された生きている者達と交わす言葉は、やがて退屈をして…続きを読む