境界線上の不安

心理的な負担の大きい仕事を、心を削るようにしてこなし、
苦しい思いを抱えたままやっと眠れると思ったら、夢の中でまで仕事の続きを見てしまう。
夢と現実の境界が曖昧になり、疲れて朦朧としてきて、今自分は正常な状態なのか、夢の中身を思い出せないように、大切なことを見落としたり、次々記憶から抜け落ちていっているんじゃないかと不安になって怖くなる。
そんな感覚をまざまざと思い出させてくれる。怖い。

個人的には、境界のあちら側の存在が実体化して物理攻撃を加えてくるラストには、正直ちょっとしっくりこなかった。あくまで個人的な感想として。

業務日報という、書いてる本人もあまり関心を払わない文書を使ってこれだけありありと不安な感覚を伝える技はすごいと思った。
今後も作品を掲載されるならぜひ読んでみたい。

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