借金の回収という、人生の闇を見ることになりそうな設定でありながら、こちらの作品には「優しさ、善意」という温かな世界が描かれています。様々な人間のもとへ回収に向かう主人公・御子柴。彼を仕事に向かわせる厳しい女上司。待ち受けるは、一癖も二癖もある個性的な面々。それぞれの立場も老若男女の垣根も越えて、御子柴が辿り着いた場所とは、どんな所なのか。読了した者にしかわからない「トリタテ」の世界。ぜひ最後までご堪能ください。
トリタテ=金融業者の債権回収といえば、古くはナニワ金融道・ウシジマくん!と、暗澹と陰惨のイメージばかりですが、ほほう。作者ご自身が提示した前半部のお題=骨格を、どう肉付けして料理するとこうなるんだろうかと、楽しく拝読しました。ミスティさんがかわいいです。