〔特別課捜査班!特子!〕『ちゃんとルールは守りましょう』編

じんべい

〔特別課捜査班!特子!〕『ちゃんとルールは守りましょう』編



私の名前は『志賀内特子』ちょっとオテンバな女のコ、29才独身。

いろいろあって、今は警視庁でアルバイトしてるの。

私が配属された課には、ちょっと変わった人達が集まっているわ。


1番奥の席に座っているのが……


まあ、いいや。以下略!


今日はどんな事件が起こるんだろ?気合いを入れて、頑張るぞ~!!




カチョー「今回の事件も、特子のおかげで解決出来たな。」


コウ「はい。特さんが居なかったら、どうなっていたことやら。」


マイ「あたし、特ちゃん見直しちゃった。」


ミル「あら?私は前から特ちゃんの才能に気が付いていたわよ。」


ジミー「フフフ…空も上機嫌だ。」


カチョー「それじゃ、事件解決を祝って、今夜みんなで飯でも食いに行くか!」


全員「は~い!」



「ガチャ!!!!」


特子「ちょっと待てぇ~い~~!!!!」


カチョー「お!特子、早いな。」


特子「『お!特子、早いな。』じゃ、ないですよ!なに勝手に事件を解決させているんですか!?

私、まだ登場もしていないんですよ?」


カチョー「まあまあ、そう怒るな、どうせいつもみたいに、お前が突拍子もないことを考えついて、事件が解決するんだろ?」


特子「まあ、そうですけど…って、ダメですよ!物語には『起』『承』『転』『結』があって、それに沿って話を進めて行く『ルール』があるんですから!

いきなり『けつ』から始まってどうするんですか!『けつ』から!

話が終わっちゃうじゃないですか!私まだ登場もしてないのに~!」


カチョー「年頃の女性が『ケツ』『ケツ』言うんじゃない、それを言うなら、特子、お前だってルールを無視してるぞ。」


特子「な?なんですか、急に…?」


カチョー「お前、最近、俺達の紹介を省略してるだろ!

登場人物の紹介も、物語において、重要なルールじゃないのか?」


特子「そ、それは…だ、だって仕方がないじゃないですか…1つの『物語』を4000文字以内で収めなきゃいけない。ってルールがあるんですから。

本文はカットしたくないですから、やっぱり『ど~でもいい』人物紹介はカットですよ。人物紹介だけでも500文字ぐらい使うんですよ!」


カチョー「『ど~でもいい』ってことはないだろ?!

初めて読む人だっているんだぞ?しっかり自分の事は紹介してるくせに…」


特子「だって~、『主人公』なんだも~ん。」


カチョー「『だって~、主人公なんだも~ん。』じゃね~!何が29才だ!

お前いつも言ってるだろうが、『ギり平成生まれ』だって。ということは、もう30才を過ぎてるんだよ!」


特子「な!なにを~!主人公は年を取らないんです~!

ほ、ほら、他にもいるじゃないですか!20年以上も小学1年生の『自称探偵』や、何十年も幼稚園を卒園出来ない『幼稚園児』とか!?」


カチョー「バ、バカ!それは本当にヤバイやつだから黙っておけ…炎上しても知らね~ぞ?

物語的には1年間しか経ってね~からいいんだよ。」


特子「だって~、みんな言ってるんだもん…」


カチョー「わかった、わかった。お前は永遠の29才だ!」


特子「ど~せなら、もう少し若い方がいいかな?ウフッ」


カチョー「自分で決めた設定だろうが?コロコロ変えるなよ…

しかしな特子、他の人達はちゃんと4000文字、もしくは3000文字以内で物語を綺麗にまとめているんだぞ?

文字数を確認しながら書いていけば、俺達の紹介を削除しなくてもいいように、物語が作れるんじゃないのか?」


特子「そうしたいのは山々なんですけど、私の携帯、メモ機能に文字数が出ないんですよ…」


カチョー「ちょっと待て!特子?お前『スマホ』だろ?誘拐された時もスマホが圏外とか言ってたよな?」


特子「あっれ~?…そ、そんな事言いましたっけ~?」


コウ「今どき、ガラケーって…」


特子「あれ?コウちゃん居たの?」


コウ「何を言ってるんですか?ここは警視庁の『特別課捜査班』の部屋ですよ、いるの当たり前じゃないですか。

でも、なんでスマホにしないんですか?スマホのほうが便利でしょ?」


特子「だって寂しいんだもん。」


コウ「言ってる意味がわかりません!」


特子「スマホってさ、スッゴい一杯いろいろ保存出来るでしょ?」


コウ「そうですよ。最近はさらにメモリーが大きくなりましたからね。」


特子「私だってら、1度はスマホに変えたのよ。でもでも…いつまで経っても使用メモリーが2%からふえないのよ!

そんなの悲しくて悲しくて…もとのガラケーに戻したの…

ほら、見て。これだと使用メモリー58%なのよ!半分以上も埋まってるのよ!」


コウ「どれどれ…あれ?これガラケーじゃなくて、ガラホですよ。」


特子「ガラホ?」


コウ「形はガラケーですが、中身はスマホっていう変な携帯です。LINEは使えるけど、他のアプリはダウンロード出来ないめんどくさい携帯です。」


特子「え?中身はスマホ?」


コウ「ほら、これ?LINEが使えるでしょ。あ、でもこの機種、Wi-Fiが付いて無いヤツだ。」


特子「 Wi-Fiって、そこらじゅうに飛んでいるやつでしょ?適当に拾えばいいじゃん?」


コウ「ゴミじゃないんだから…

特さんの携帯じゃ、拾えませんよ。

しかし、よくもまあ、この機種で『物語』を書いていますね。ある意味尊敬しますよ。」


特子「へへ~んだ!」


カチョー「お前、会話形式にするから文字数が増えるんじゃないのか?

ほら、会話するたびに頭に『名前』を入れないといけないだろ?『「」』だって、入れないといけないし。」


特子「だって、会話形式にしないと、誰かが喋ったあと『○○が○○な表情をしながら言った』とか、付け加えないといけないじゃないですか?めんどくさいんだもん。」


カチョー「『めんどくさい』って…、マンガと違って、目に見えないんだから、仕方ないんだよ。いかに文字だけで、その状況を頭に描かせるかが、小説の醍醐味なんだからな。」


特子「コウちゃ~ん、私の頭の中を読み取って、文字に変換出来るアプリを開発して~。」


コウ「そんなスゴいものが出来るなら、もうとっくに作ってます!」


カチョー「バカな事をいってるんじゃない。ほら、ここからでも事件を起こして…」


ミル「でも、特ちゃんいいの?もう3000文字越えちゃったわよ…」


特子「え?!うそ!マジ?!もうそんな時間??

どうしようカチョー!?まだ、事件の『事』の字も始まってないよ~!

あと残り1000文字以内に事件を解決なんて、いくら『ハチャメチャ』な設定でもムリがあるわ。」


カチョー「よ、よし!特子!今回は何も無かった事にしよう!」


特子「何も無かったって、一応『刑事ドラマ』なのに?」


カチョー「そうだ!特子、いい方法があるぞ、『まだ今日は始まってない』作戦だ!」


特子「『まだ始まってない作戦』?いったいどんな?」


カチョー「ちょっとこっちに来い。ゴニョゴニョゴニョ…」


特子「え!?そんなんで騙せ…ごまかせますか?」


カチョー「いいんだよ、どうせ2~3人しか読んでないんだろ?」


特子「し、失礼な!3~4人は読んでくれてます!

でもカチョー、ナイスアイデアです!さすが伊達に年寄りじゃないですね!」


カチョー「『年寄り』言うな!」


特子「でも、カチョーのおかげで、今回も乗り切れそうですよ。

あ!今度の『カチョー』の紹介文、サービスして『ダンディなおじさま』に『頭のキレる』を付け加えて、さらに『その実績を買われ、時期『警視総監』との呼び声も高い』も追加してあげます!」


カチョー「いいのか?そんな事書いて。」


特子「いいんですよ、なんでもアリなんですから。」


カチョー「じゃあ、俺も、特子が部屋に入って来たら、『お!いつも綺麗で美人の特子じゃないか!』って、言ってやるからな。」


特子「えへへへへ…」


カチョー「フフフフ…」




特子の部屋…


特子「…へへへへ…ムニャムニャ…」


「チャンチャラチャ~ン!チャンチャラチャ~ン!チャンチャ…」


「バン!」


特子「う~ん…『起』きた~!

なんだか変な夢を見ていたような…

あれ?コウちゃんからメールが来てる。なになに…『缶コーヒーを買ってきて、ミルク砂糖マッシマシ。』

『はい、了『承』しました。』っと。


さて、トイレに行って着替えようっと。」


「ドテッ!」


特子「あいた~!『転』んじゃった~!」


「カラカラ~。ジャー…」


特子「『ケ…』お尻を拭いてと…」


「ドタバタドタバタ…」


「キュッ!」


特子「よし!靴ヒモも『結』んだし、これで完璧!

行ってきま~す!!」



おしまい



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