俺はよく分からない!!

「――という出会いだったのよ」


「いや、なんというか、彼女の人となりというかそういうのを聞きたかったんですが.......いや、不満足とかではないんですけど.......」


あくまで聞けたのはお姉ちゃん先輩と城崎の出会いであって、こう、彼女の秘められし過去とかを知ることは出来なかった。

お姉ちゃん先輩ならばありとあらゆる情報筋から城崎の恥ずかしいポイントを洗い出していると思っていたのだが.......偏見が過ぎたか.......?


「うーん、人となりとか性格とかはきっと颯斗くんの方が分かっていると思うわよ? 真理ちゃん、私には気を使ってばっかだから」


「俺はあいつに気を使ってもらったことはないですけどね」


「うふふ.......確かに。

 でも、それなら颯斗くんの思った通りにやれば良いと思う。変なコトは考えず、自分と真理ちゃんのことを純粋に思ってやれば、きっといい結果になると思うわ」


「そうですかね……」


「大丈夫、大丈夫よ、颯斗くん。今のあなたなら、出来る」

 

 お姉ちゃん先輩は笑って、俺の頭を撫でた。

 それは本当に、安心できる時間だった。




 







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

オレは自撮れない!! 麺田 トマト @tomato-menda

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ