生きているから死者を求める

ゾンビパニックの真っただ中ではなく、それが収束してから五年後という舞台設定が、この物語の特異性であり、登場人物たちの心境を深く描いているのだと思います。
亡くなった仲間たちを呼び出そうとしているハコネと、それを複雑な心境で眺めているツガルの心情のすれ違いが、より胸に迫ってきました。
回想でしか現れない、かつての彼らの日々が、遠く悲しくかすんで浮かんでいくようでした。