第2話 クラスメイト

「おはよ」

唯一声をかけてくれた人がいたが、返すこともなく静かに席に着く。一人で壁を作って、誰とも話さないようにしていた。人間関係は面倒だ。なんてことは昔から知っている。確か、保育園のころだっただろうか。母によると私は保育園で一度も泣かなかったと言われたが、私の記憶が正しければ、泣いた。トイレにこもって大泣きしたはずだ。さみしさからではない。ちょっとしたいじめにあっていたからだ。まあ、幼いころのいじめなんてやるがわもまだ幼いから大したことではないのだが、まだ小さい私にとってはすごくこたえた。

 100個近く並べていたドミノをわざと蹴り飛ばす

 足をかけられる

 仲間外れにされる

 面と向かって悪口を言われる

まあ大体こんなものなのだが、相手が上級生二人組と、勝ち目はなかった。それにうまいもので、いじめっ子は先生の前では私と仲良さげに遊び先生にがいなくなった途端に態度が激変する。あんな技何処で覚えるのだろうか。

 この話も誰にもしたことがない。もう二つ話をするとしよう。

私には、兄が二人いる。一番上は6個違い二番目は3個違いだ。そんな私が小学校に入って、兄のせいか。休み時間。毎日のように

「○○君の妹どこ~」

って三人組が私の組に毎日やってきていた。上級生に対して苦手意識がある私に取ったら、たまったもんじゃない。あにがなにかやらかしていじめられるのかな。なんて小学一年生ながらに考えていたものだ。ある日は掃除用具箱に隠れ、またある日はロッカーの中でジャンバーに埋もれて隠れたりしていた。するとある日上級生三人組が私の名前を呼びながらクラスに入ってきた。どこから情報が漏れた。兄か。先生か。はたまた友達か。恐怖心がすごかった。私がいつも通りロッカーでジャンバーの中に埋もれていると友達と先生が私の名前を呼び

「呼ばれてるよ?」

と言って場所をばらされた。オーマイガー。

やばいよ。やばいよ。と、有名なリアクション芸人並みに焦っていると

チャイムが鳴った。

これがまさに「九死に一生を得る」というやつだ。私は決心した。

「よし。外に出よう。」

次の日私は外に出てみることにした。隠れ家をばらされた今、大勢の中に混ざるしか方法はないと考えた。ウォー〇ーを探せ。的な。私的には、ウォー〇ーを探すな。って感じだったけど。

友達と外に出て、ここなら安全と思ってジャングルジムの真ん中あたりに腰かけていると、グラウンドの階段にあの三人の姿が見えた。もう恐怖でしかない。先生も先生だ。なぜ教えるか。プライバシーの権利というものを知らないのか。小1の私にはっ分からないが。とりあえず、グラウンドを去ろう。と決めて、教室に戻るとしばらくして奴らが教室の中に入ってきた。ストーカーですね。もうね。怖いよね。いよいよ母親に相談した。母親はどうしたとおもう?



聞く耳を持たなかった。

お父さん、兄ちゃん。誰も私の話を聞いてくれない。ここら辺からか。人と、家族と壁を作り始めたのは。小学2年生になってから、それがなくなったから、6年生だったのかなと考えた。そこからは、特に何もなく、平凡な毎日を送っていた。例えば、ランドセルを忘れて登校する。とか、パジャマのまま登校する。とか。ね?平凡でしょ?

またまた事件は起きるもので、なんで私ばっかり。なんて考える暇もないくらいに脳みそがいっぱいだった。そのほうが楽なのかもしれないね。

お楽しみ会を企画することになって。企画やらなんやら全部決めた。6人で、先生の雑用とか、頼まれたことなんでもしようよ。という提案から、私が、ブラック企業となずけた。今となったら、なんでそんな名前を付けたのか。あの頃の自分に問いたいものだ。話を戻そう。当日になって、予定していた通り企画を進めようとした。そしたら先生が勝手に進めていた。先生の権力が大きいから生徒はみんなそれに従う。私たちの企画は丸つぶれだ。クラスの中では、「まだかよ」「はやく」など、ここでは言わないが、そこそこの暴言が飛び交っていた。最後の最後に嫌な思い出を作ってしまったことに嫌気がさした。6人は立てこもった。「私たちがいなければ内容も分からないだろう」そんな思いとは裏腹に時間は立って行った。クラスメイトが私たちの立てこもっている教室にやってきて、ドアを蹴ったりドアの向こう側から罵倒されたり、軽くデモが起こっていた。先生が納めてくれたためにその場は収まった。途中で先生を一人だけ中に入れたが、泣いていて、その時のことは覚えていない。放課後になって、担任の先生と話すことになった。3人は顔も見たくない。という理由から帰ってしまって私も帰りたかったが先生に呼び止められたのでしぶしぶ残って話をすることになった。3人残ったが、私以外話の途中で泣き出してしまったので私がすべてを話すことになった。すべてを話し終えたとき時刻は6時をまわっていた。自作のそりを引きずりながら持ち帰った。あの光景は忘れられない。はたから見たらそりもって、ランドセル背負って、6時に徘徊してるやつ。カオスすぎて今思うとにやりと笑ってしまう。小学生の頃の話だけでこんなになってしまった。

次は中学生に上がった私の話をしよう。

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生きる @paruharu

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