一か月前・続・俗・族

 この期間だけの仲なのに、どうせそれだけなのに、なぜこういう人種は親睦会、を開きたがるのだろう。これをきっかけに一生を過ごしていくためのビジネスが始まるわけでもない。


 こんなことをぼやくが別に僕という人間が特別な、ということはないだろう。いや、特別なのかもしれない。それは特異を意味する。


「君はこの場所にそぐわない。」


 僕はぞっとした。


いったい何者なのか。僕の何を知っている?何様のつもりで見透かしたようなことを言ってくるのか、下級生に向けてでも一軍には言えない、こんな僕のセリフ。


そこには五尺程度のおかっぱ頭、いやこれは確かツーブロックだとか聞く。こいつはいったい何者なんだろうか―。



***


少しばかり僕は彼と話した。


いわゆる高校デビュー。高校デビュー、という彼の身には俗世は十分痛い仕打ちとなっていたらしい。彼のつらさは僕には理解ができるのかもしれないが、その努力を怠ることにした。それほどの価値しかないのだろう。どうせ。



そんな時に、ぶつかってきた先輩がいた。


「いてっ。」


ふと、顔を上げるともう一発、蹴りをくわえられるかと思ったが、現実はこぶし一つ分優しかったようだ。


「周り見てだべれ、この野郎。」


肩を彼はほんの少しの力で小突いた。

僕はよろめいた。


「おう、わりぃ。お前、ちゃんと寝てるのか?」


***


あと、5分で僕は窒息していただろう。

あの場所には僕が吸う酸素は用意されていないようだった。


この場所、僕は続かない。

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僕らの宴 西野結衣 @yui_nanase

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