受話器の向こうに無音の足踏み。巨影はリアルか、メタファーか。

 この小説は面白い。村上春樹の小説が面白いように。

 作者が書いてきたもの、読んできたものが、心地よく乾いた語り口を、底の知れないキャラクターを、先の気になる物語を象っているのだと思う。

 しかし作者は村上春樹ではないだろうし、かと言ってハルキストかどうかも分からない。

 分からないことは語るべきではない。
 語るべきは分かることだけだ。

 この小説は面白い。村上春樹の小説が面白いように。

 あとおまんの小説がすこでごわす(薩摩)

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象の召喚

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