なんの音も匂いも感じない世界観が文字に映し出されている。そこで愛について語るロボットと博士の話。
ポストアポカリプスを地でいくお話。シニカルな文体に込められた言葉のヤスリが無意味な建前を削っていく。愛ごと滅びかけた人類に愛を送り続けるのはほとんど文学的な虚数だろう。