盗みから始まる心理戦

泥棒である男がアパートへ盗みに入ろうとしたタイミングで目的の部屋の住民とすれ違い、侵入するタイミングを考え
部屋に入ったら今度はその家の女の子と出会ってしまい、どう切り抜けるかを考える。
ただ盗みに入るだけなのに、その行動ひとつひとつが見えない相手と戦っているようだった。

また、一文が短い文章が淡々と続くが、これが最後の結末をより引き締めていることと思う。
とんとんっ、と読んでいった最後にくるっと世界が変わり、「ああそうか」と感じさせてくれるのが非常に心地よかった。