第2話
ーある少女は眼前の景色にぼー然としていた。大量の見知らぬ人間たちがこの村に攻め入り今まさに、この村の大勢の男たちが老い若い関係なく無残にも殺されているのだ。さっきまで、父や兄の取ってきた鹿肉や、木の実を家で食べていたはずなのに今はもうその家はなく、さらに周りはゴウゴウと燃え、父も兄も首のない惨殺死体に姿を変えている。男たちはニヤニヤと汚い笑みを浮かべ戦う準備をしてなかった無抵抗な大人たちをまるでそういうゲームがあるかのように切り殺していく。大人たちの流した血はシミになり、水たまりになり、川になり、ついにはまるで海のように広がった。わたしの足元も血の海の中にあり、歩くと血がはねた。
「若い女は捕まえろ、どうせ抵抗できまい。労働力にはならぬが色々と他に使い道がある。」
隊長のような男が汚い笑みを浮かべながらそう命令した。
わたしを含めた十数人は恐怖した。そしてそこでわたしは初めて実感した。そうかこれが倭国大乱なのか、と。ー
激しい揺れが収まりひと段落がついた。各々が手順通りに仕事をし、順調にコトが運んでいった。
「全部大丈夫ってことでいいのよね?」
白人の女がそう言った。
「うん。全部オッケー。オールグリーンだよ。まあでも もしも、はつねに十分注意しないといけないけど」
「計器と本部からの通信に気を配るコト以外はやるコトなくて暇だよな。」
「そう?おれは地球のこと考えるだけで暇になんて全くなれないわ。お前ら地球のことそんな楽しみじゃないわけ?」
そう、背の高いスキンヘッドの外国人が言った。
「いや、そんなわけないでしょ?私たちは少なくともまだ未解明の謎の星に命をかけて調査に行く実験に志願したわけだし」
「まぁそうだよな。なぁ、お前ら地球行ったらいちばん非現実的なことってなにが起こると思う?」
「恐竜いそう」「逆に実は地下に文明があって俺らよか数億年進んでるとか?」「UFO工場はある!」「アメリコの大統領の別邸がありそう」「それはありえなくない笑笑」
なんて色々話し合ってたら船内で大きくなにかが爆発する音が響いた
「何が起こった!?」
そう誰かが叫んだ瞬間
《緊急脱出を行います。脱出後はポッドが火球の座標へ自動運転します。》
非常電源に切り替わって赤くなった船内に警報が響く。隔壁がどんどん閉まっていく。
シートベルトが勝手にきつく閉まると個々人の脱出ポッドが発射した。
ふと目が覚めた。どうやら気絶してたらしい。もう浮遊感はなくしっかり地面が下にあるのを感じる。
「。。。。助かったー」
安心してため息をこぼす。どうやら死なずにすんだみたいだ。
ハッチを開ける。
「また辺境におちなぁー。。」文明のぶの字もないようなところに。地球かよ!
セルフツッコミを入れてゾクっとした。本当に地球だったらどうしよう?
そんなわけないのは分かってるのに事故の後だからありえないことを考えてしまう。かるく脱出ポッドの現在座標を確認してみる。ほら、やっぱり地球だわ。え?
「ちきゅう!!!!!!??????」
俺の叫びが地球の大地にこだました。
日照の空に @hyanakon
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