第2話 歌

元来、言葉というものには力が宿ってる。

それは小説や論考という体系だった言葉に限られるものでもない。

また、名言や格言といった、目的を持って発せられたものに限られるものでもない。


ただ、言葉である、それだけによって言葉は力を持っていたのである。

では歌はどうなのだろうか。

ただでさえ力をもつ言葉を、目的を与えた短文に変形させ、意味を持った韻律にのせる。

まさに暴力といえよう。


故に、歌には一種の白々しさと強引さが秘められているのだ。

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