あの有名な収容所にたとえられるほどの凄惨な労働環境。その中で、ある偶然の出会いが少年たちを前へ進ませた。夢を持つことを禁じられた世界で、夢を持った少年。小さな少年の世界を支配していた絶望をも、少年の「夢」は突き動かしていく。二人の少年の語らいが、作品を希望ある明るい世界にしてくれます。シンプルなストーリーラインの中に、大切なテーマが凝縮されているのを感じます。後味爽やかなハッピーエンド。おススメです!
読んでいて、何枚かの写真を思い出した。百年ほど前のアメリカ合衆国で、ルイス・ハインが撮影したものだ。 同国で児童労働が禁止されたのは1938年である。ハインが撮影したのはその数十年前だ。虚ろな顔をした、十代にもならぬ子供達が胸を打つ。 翻って、本作で描かれる紡績工場も子供(や、社会的弱者)を文字通りに搾取している。本作には事実を暴露するジャーナリストなど存在しない。主人公達が全てを解決せねばならぬ。 彼等が理不尽さの権化をどう乗り越えていくのか。詳細本作。
生きているとは何か。そういうと話が大きかなりますが、ただ生きているだけの人生を幸福と呼ぶ人は少ないのではないでしょうか。闇のような世界に生きて、それでも夢を見た少年。そんな物語を読むことで、夢の持つ可能性を感じてみませんか?