【カクヨム限定描き下ろし短編】悪役令嬢らしく好感度を上げます
サヤカはキャンサーをじっと見つめ、思ったことを口にした。
「やっぱ、出てくるはずないよねえ」
その
「何がですか?」
「
キャンサーもサヤカの答えに
「サヤカさま。僕、何か変ですか?」
「あ、違うの、そうじゃないの!
「いえ。ただ……」
キャンサーは
「見つめるなら、もっと冷たい目で見てほしいなって思っただけです……」
「違う、そうじゃない」
思わず真顔になって低い声でつっこむと、キャンサーは今度こそ
「その調子です! もっと
「
「――で、何なんですか、その選択肢とは?」
質問はしているが、まったく興味がなさそうなジルの目をあえてスルーし、サヤカは喜んで答えた。
「だいたい三つの選択肢が出てきて、選んだ答えで、好感度が上がったり下がったりするの!」
「これ以上、下げるんですか?」
「上げたいの! ――待って今これ以上って言った!? ジルの私への好感度、もう底辺!?」
「
サヤカの前に、キャンサーの
「じゃあ僕、サヤカさまに質問しますよ! 選択肢を三つ
「そうそう。でも……いいの、キャンサー? 私はその難関をいくつもくぐってきた女よ?」
実生活では
そんなサヤカを見た
「サヤカさま! その顔とっても
「まだ質問されてないし答えてもいないんだけど!?」
サヤカをうっとりと見つめるキャンサーを見て、ジルがため息を
「本当に、どうしてこうなってしまったんでしょうねえ……」
「何で私を見るの!? わ、私のせいじゃないってば!」
そのはずなのに、ジルの視線から思わず目を
「こう言っちゃなんだけど、敵がこう……アレなことになってたら、嬉しいとか思わないの?」
冷静なジルの
「自分が敵対する者に品位を求めるのは、そうおかしなことではないと思いますが?」
「ごもっともです……」
(でも、何か引っかかるような……? ジルが
いつか、その理由を話してくれるだろうか。
(それにはまだ好感度が足りない……なーんて、現実はそう簡単にはいかないよね)
心の中で冗談
「あなたが残りの聖騎士の力をできるだけむごたらしく奪ってくれれば、俺のあなたへの好感度は天まで上がるんですが、どうですか?」
「何その
「それは残念です」
サヤカが
悪役令嬢らしく、攻略対象を服従させます 推しがダメになっていて解釈違いなんですけど!? 時田とおる/角川ビーンズ文庫 @beans
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