現在好評発売中の『電撃文庫MAGAZINE 2019年3月号』より、第25回電撃小説大賞受賞作家スペシャル鼎談を掲載！『電撃文庫MAGAZINE』掲載時には紙幅の都合で収録できなかったこぼれ話も掲載しちゃいます！
《２》では、応募時の秘話に……迫る！
◆応募時秘話にせまる！ 電撃小説大賞に応募したのはナゼ？
――それではここからは、気になる応募時のお話を伺えればと思います。まず、数ある新人賞から電撃小説大賞を応募先に選んだ理由を教えてください。
渋谷：僕は、電撃はどんなジャンルでも受け入れてくれるだろうな～という思いから、電撃大賞に応募しました。
冬月：私も渋谷さんと似たような理由ですね。ジャンルにとらわれず、面白ければ何でもいいよって書いてある安心感がすごかったっていうのと、実際に受賞した作品のあらすじを読んだりして、本当にバラエティに富んでるなぁと思いまして。自分の作品も規格外だからっていって外されることはないんだろうなぁと思って応募しました。あとは好きな作家さんも電撃文庫で書かれていたので。
ミサキナギ：自分は一番最初に読んだライトノベルが電撃文庫で、それからずっと電撃文庫を中心に読んできたんです。それで勝手に縁を感じて、応募しました。
渋谷：最初に読まれた電撃文庫のタイトルは何だったんです？
ミサキナギ：甲田学人先生の『Missing』です。
渋谷：僕の通っていた学校の図書室にも置いてありました。
ミサキナギ：私はちゃんと全冊買いました（笑）。
◆気になる！ 受賞連絡を受けた時のお気持ちは？
――皆さん見事受賞を果たされたわけですが……編集部から連絡を受けた時のお気持ちや状況をお聞かせください。
渋谷：正直な話、最終選考に残ったという連絡をもらったときのほうが一番驚きましたね。予告がないし、普通に仕事してたときに留守電入ってたので（笑）。
――そうなんですね。では改めて受賞の連絡があった時のご感想はいかがですか？
渋谷：「大変申し上げにくいんですけど……」と電話で言われたときは、賞を取れていないんじゃないかと思いました（笑）。伝統のドッキリだそうです。結果的に金賞を頂けて良かったですが。僕としては大賞を狙っていたので、やっぱり悔しかったです。傲慢ですが（笑）。
ミサキナギ：私はホッとしたかなというところです。もちろん大賞も狙っていたので悔しさもあったのですが、大賞を取れたからといって、その後の作家人生が保証される甘い世界ではないと思っていたんで……とりあえず賞が取れれば、という感じでしたね。
渋谷：その気持ちはすごくわかります。
冬月：私も受賞の時は賞をいただけて、安心したっていう気持ちの方が大きかったです。あとの諸々の感情は全部しばらく経ってから実感がわきました……。
◆受賞した後、どうなるの？ 改稿秘話に迫る！
――皆さん応募原稿からどのくらい改稿などされたのでしょうか。
渋谷：大手術だったと思います。とにかく改稿に慣れていないのもありまして、本当に大変でした。シーンを足したり、キャラをいじったりと……皆さん、改稿でキャラが変わったりしました？
ミサキナギ：私はヒロインを変えましたね。当初は黒髪で、普通の日本人の女の子でした。
冬月：全然違ったんですね！ 私は大きくは変わってないですね。
渋谷：じゃあ改稿ではどのあたりが変わったんですか？
冬月：応募原稿って枚数が決まっているじゃないですか。話が入りきらなかったところが結構あって、削ったんですよね。その削った設定を入れる作業をしました。
渋谷：なるほど。そういえば私も応募原稿で削った話が入ってますね。
――どんな部分を削ったんですか？
渋谷：デートの話などがあったのですが、仕方なく削りました。書き始めたら百三十枚を超えそうでしたので……。
ミサキナギ：私は逆ですね。二十枚くらい余裕を残してまして。
渋谷：そうなんですか？
ミサキナギ：応募時はまったく余分なものがない淡白な原稿でした。それだと世界観が伝わらないって担当さんから言われまして。それで情景描写などをかなり増やしましたね。あとはバトルを書き直してます。応募原稿のときはそれが全力だったんですが、全然ダメだなって思って、まるっと。
――受賞後も、それぞれ濃いエピソードがありながら改稿に励まれていたんですね。
それでは最後に、読者の皆さんに一言お願いします！
渋谷： 今回の受賞作は多様なジャンルに溢れてますので、ぜひ皆さんの好みに合う作品を手にとって頂いて、素敵な時間を過ごして頂ければ嬉しいです。電撃25期を、どうぞよろしくお願いします！
ミサキナギ：自分の作品のＰＲじゃないんですね（笑）。まとめちゃった（笑）。
渋谷：あ、そっか。最後に一言って言われたからまとめるのかと（笑）。『つるぎのかなた』はど直球というか、王道で奇をてらっていない、どんな方でも楽しめるようなものになってると思いますので、ぜひ読んでいただけたら嬉しいです！
ミサキナギ：バトルあり、ラブコメあり、涙ありで、私が面白いと思ってるものを全部『リベリオ・マキナ』に詰め込みました。平和な世界で再起動された戦闘用オートマタ、水無月の成長を二人の姫と共に見守っていただきたいです。
冬月：『鏡のむこうの最果て図書館』は正統派ファンタジー……って言っていいか分からないのですが、普段ファンタジーを読まない人にも楽しめるような作品ですので、ぜひ読んでもらえたらと思います。
――ありがとうございました！
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