第25回電撃小説大賞受賞作家スペシャル鼎談《番外編》
現在好評発売中の『電撃文庫MAGAZINE 2019年3月号』より、第25回電撃小説大賞受賞作家スペシャル鼎談を掲載!『電撃文庫MAGAZINE』掲載時には紙幅の都合で収録できなかったこぼれ話も掲載しちゃいます!
番外編では、『電撃文庫MAGAZINE』掲載時には収録できなかった各受賞者が小説を書き始めたきっかけに……迫る!
◆番外編1◆作家を志すようになったきっかけは?
冬月:とにかく本が好きで、本を読んでいて、それで恐らく書きたくなったんだと思います。なので、きっかけみたいなのは特になかったと思います。書き始めたのは小学校の時なのですが……。
ミサキナギ:すごいですね!
冬月:でも、いま読み返したら、もう笑いが止まらないですよ(笑)。
渋谷:笑いに昇華できてるだけでもいいと思いますよ。僕なんか高校二年生に初めて書いて、完成はしていなかった気がします……。そのあと高校三年生で、学祭の劇の脚本をつくりました。
冬月:それもすごいですね。
渋谷:途中で脚本担当が逃げたんです……!
ミサキナギ・冬月:そういうことだったんですね(笑)。
渋谷:それで仕方なく書くことになったんですが……苦労しました(笑)。
冬月:すごい裏話ですね(笑)。どんなところで苦労したんですか?
渋谷:「とりあえず出たい人は全員出さないといけない」というルールが学校にありまして。で、いざ「じゃあ、出たい奴は?」と聞いたら、出たい奴が20人以上もいて(笑)。
ミサキナギ:それは……(笑)。
渋谷:でも今振り返れば、完成した物語っていうのは、それが初めてだった気がします。それまでは……高校二年生の頃はたくさん本を読んでいたのですが、そのときに「なんか悔しい」というか……「これ自分がやりたかったのに!」と生意気ながら思ったのがきっかけですね。ただ、この高校二、三年生は部活に勉強に色々励んでいたので、そんなに執筆はしていなかったです。本格的にちゃんと書き始めたのは大学3年生の夏とかそれぐらいだったと思いますね。
ミサキナギ:自分が書き始めたのは中学一年生です。きっかけというものが明確にはないのですが、読んでいるうちに自分も書きたくなって、中学一年生から高校三年生まで書きましたね。ただ、そのときは賞には応募はしなかったんです。
渋谷:もったいない……。
ミサキナギ:応募しようと思った時もあったのですが、その年の受賞作を読んで「ちょっとレベルが違いすぎるな……」と思い、断念していたんですね。で、高校卒業と同時に小説を書くのを1回やめました。それから5年間くらい……大学に行って、会社に入っている間は一切書いていないです。会社を辞めて「やること何もないな~これから何しよう?」と思ったときに、また書きたいなと思ったんですよね。それでここまで来たっていう感じです。
渋谷:それ、すごいドラマティックですね! 誰かに自分が書いた小説を見せたりしました?
ミサキナギ:中学生の頃はノートに書いていて、友達2人くらいには見せました。そのあと高校生になって、文化祭の時に短編を1本書いて、それをクラスで発表しました……なんであんなことになったのか自分でもよく覚えていないんですが。公の場で誰かに読んでもらったのは、あれが初でしたね(笑)。
渋谷:それって、どんなテイストのものだったんですか?
ミサキナギ:ああ、学園ものでしたね。普通の学園ものでしたけど、いや、とても世の中にお出しできるものではなく……(笑)。でも、その原稿は今はもう残っていないですね。だって、ノートに全部書いてたから。渋谷さんが最初に書いたのは?
渋谷:ええと……確か量子力学か何かが絡んでたような……。SFが好きだった時期だったので、それもあって。今見たら設定がガバガバすぎて、恥ずかしくて死んじゃうかも……冬月さんはどうでした?
冬月:えっ? 小学生の時に書いたやつ? それはさすがに……。
渋谷:ええと……じゃあ、記憶にある中で(笑)。
冬月:どうだったかな……でも、そのころに書いたものも、今と同じで童話っぽかったような気がします。なんだかおとぎ話みたいな、動物がしゃべっていたりするみたいな内容の……本当に変わっていないですね(笑)。
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