肆・他日復見其鄰人之子、動作態度、無似竊鈇者。


「おはようございます!」


「あぁ、おはよう」


 斧を見つけてから一晩が経ち、朝になった。今日こそは薪を取りに行こうと支度をしていたところ、隣の息子がこの上なく爽やかな笑顔を向けて挨拶をしてきた。相変わらずいい子だ。


 まっすぐに俺の目を見ながら挨拶をしてくれるし、この前と違って顔色もいい。この前はただ体調が悪かったのだろう。よく村の仕事も手伝ってくれているし、俺の斧を盗むはずがねぇ。


 根拠もなく疑っちまった。一度怪しいと思うとすべてが怪しく思えちまう。悪いことをしちまったなぁ、帰ってきたら何かあげよう。



 *****


 他日たじつまた其の隣人の子を見るに、

 動作、態度、ぬすめるにたる者ものし。


 *****

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