特別編 スアレスの過去

 

 ルーベルト・スアレス 10歳


 俺は昔から軟弱で、身体は骨が剥き出しのガリガリ坊主だった。


 昔から虐められ、この身体が嫌で嫌でしょうがない。


 飯を食べても太りもしない。

 ただ痩せる一方。



 俺には憧れの人がいた。


 ボディビル5年連続世界チャンピオン マッスル・マスという人物だ。


 俺はボディビル大会が開催される度、マッスル・マスさんを応援に行っていた。

 あの身体が羨ましい。あの身体になりたい。そう願う一方、そんな身体などになれる訳が無い。

 そこで、マッスル・マスさんの自書を読んでみることにした。

 そこにはこんな事が大きく書いてあった。

「私のような身体になりたければ、筋肉を愛し、男を愛し、そして10万回叫べ!マッスルボディーと!!」


 その言葉に感銘受けた俺は、筋肉の事を勉強し、男を愛し、2日で10万回のペースで叫んだのだ。


 だが、その言葉に裏切られたように、俺の身体は衰弱し、入院してしまった。


「もうじき死ぬんだ。マッスル・マスの言葉は嘘だったんだ・・・」


 俺は落胆した。


 だがある時、私の病状が耳に入ったマッスル・マスは

 わざわざ病院に駆けつけてくれたのだ。


 そんな裏切りの言葉を信じたせいで、俺は死にかけている。

 マッスル・マスに軽蔑の目しかなかった。


 それ見たマッスル・マスはこう言った。

「君はあきらめず叫んだのか!? マッスルボディーと」


 俺は迷わず言った

「嘘つき! マッスルボディーって2日で10万回も叫んだんだ!」


 すると、マッスル・マスは言った

「違うっ! 毎日10万回叫ぶんだ!!」


 俺は自書をもう一度読んだ。

 そこには続きがあった。

「私のような身体になりたければ、筋肉を愛し、男を愛し、そして10万回叫べ!マッスルボディーと!!」(毎日10万回×10年)と・・・


 俺はそこからマッスル・マスさんの言う通り10年間叫び続けた。

 すると、病気も払拭。

 マッスル・マスと同じ肉体を手に入れたのだ!



【END】

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賭剣士になった主人公にダークとエロと冒険が待ち受けている。。 ジャスミン @jasmine7

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