登場人物の過去 特別編

特別編 アデリナの過去


政略結婚

家長または親権者が、自己や家の利益のために、当人どうしの意向を無視してさせる強制的な結婚。


シュバルミール・アデリナ 16歳 

あどけなさが残るアデリナは、まだ若くして隣国の王子アルカセル様との政略結婚。

まだ姿形分からぬ見知らぬ男性と結婚なんてご免よ。


私は楽をしながら、楽な生活がしたいの。


そして、

「ちゃんと恋をして、本当に好きになった人と結婚したいの!」でも私には言えなかった。


数日後、私は将来 夫になるであろうという人と面会式にて、立ち会うように言われた。

そんなの出たくない。でもこれが政略結婚なのだから仕方が無い。

とりあえず会うだけ会ってみることにした。


政略結婚と言っても、こちらが無視し続ければどうにかなるかもしれない。そんな考えもあった。


嫌々仕方が無く出席した面会式である運命的な出会いをした。


宮殿の大広間で待っていた私は、大きな門から入ってくる男性を見かけた。青いマントに金髪。腰には刀剣。

私に近づき、目の前で跪いて一言。


「僕と結婚してください!」


私は不覚にもキュンとしてしまった。


殿方は政略結婚だから、そんな簡単に言っているんだわ。

しかも、お互い会って間もないのにそんな簡単に言う?

私は少し怖さも感じたがこう返答した。


「いや、私、結婚するってまだ決めてないから! 勘違いしないで!」


私の口調に周囲を困惑させてしまった。

でも、これが本来の私。


「こんな私でも結婚するとでも言うつもり!?」


すると、彼は迷わず言った。


「それでは、あなたが結婚をすると言うまで私は待ち続けます」


私は彼の目を見て思った。

彼は家の事情など関係なく、私との結婚を本気で考えていることをー


それから私は彼と2人で何度か会ってみた。そしてお話をした。

彼の事を分かっていくうちに、彼の真っすぐな気持ちに、少し好きになった。


そして、私は聞いてみたー

「なぜ会ったばかりの私に結婚を申し込んだの?」


そうすると彼は淡々と答えた。

「会った一目から君を好きになった」と


私はその時に彼を本気で好きになりました。


彼とある約束をしました。

1年後、お互い努力する事が出来たら、結婚する約束を交わした。


それからというもの、まず私は言葉のマナーを勉強した。そしてしきたり。

彼にもっと相応しい女性になるため努力した。


逆に彼は私の為、私を守るため剣術の鍛錬をし、努力していた。


それからあっという間の1年後ー



訃報ー


彼は亡くなりました。


その言葉を聞いたのは、父からでした。


私は泣き続け、自ら命を絶つ事も考えました。


私は昔、彼が言っていた事を思い出しました。


「努力は必ず報われる」


私は今でも毎晩の様に泣いております。これだけはどんなに努力をしても、直すことは出来ないかもしれません。


でも、努力することと、努力する人がものすごく大好きになりました。



【END】

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