無題
清水優輝
第1話
胸の中心をステーキを食べるときのように右手にナイフ、左手にフォークを持ってゆっくりと裂く。ぐちゃりぐちゃりと開かれていく胸部。現れたのはベンタブラックの虚空であった。黒がちりちりと、燃えた炭の欠片のように宙を舞って飛来している。――重力を知って泣き喚いた赤ん坊を嘲笑うようであった。それらに翅が生えた。半透明に路線図が描かれていた。その図のどこにも我々は存在しない。
無題 清水優輝 @shimizu_yuuki7
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます