プロテウスの祝福

作者 瀧本無知

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★★★ Excellent!!!

五感VRが日常的に浸透した世界、人々はその恩恵に預かっていた。一方でVRそのものを憎む者もいる。主人公は反VR派の価値観を、VRによって改善するソフトを生み出すが…。

VRの没入感は人間にどんな影響を与えるのか。ありえる未来像と、技術が生み出す社会の変質が怖いほどに鮮明な作品です。
大体新しい技術というのは使うもの次第で、結局のところ人間の問題に突き当たるのだなぁと唸らされる。
どこか淡々と語られる中に見え隠れする狂気とか哀しみが感じられて、グイグイとのめり込んでしまいました。
SF作品として申し分なく、楽しませてもらいました。読んで損はないですよ!

★★★ Excellent!!!

現実/非現実のあわいより、アイデンティティーと価値観がどう形成されるかという方向にVRのアイデアが練られていて秀逸。なおかつミステリー的仕掛けもあってすごく贅沢な作品。

現実世界では五感以上に多くの感覚が動員されており、そこでもってVR世界と現実との差異を見抜くくだりがよかったです。

動物を含めた他者に視点や感覚を移入できるという未来世界のVR機能が心憎い伏線として機能している。同作者様の「第二階層」にも通じるテーマを感じました。

本格的なSFとして読み応えのある作品です!