18.邪龍

 優は昼過ぎに起き、龍族達も何人か家から出てきているところだった。


「ユウ様おはようございます」


「あぁ、おはよう。何か変わった事はないか?」


「そうですね特にはないです」


「そうか、なら少しだけみんなの様子を見て回ろうか」


「はい」


 2人は街の中を見て回った。その最中に一体の龍が優と龍王に近づいてきた。


『龍王様!』


「なんだ?」


『なぜ、そんな人間と一緒にいるのです!』


「この方は龍神様と、同じく神だ。それにここを作ってくださったのもユウ様だ」


『そんな嘘を言わないでいただきたい!神だと言う証拠はないじゃないですか!俺はそんなやつを認めません』


「おい、待つんだ」


 一体の龍族は待つことなく空を飛んでどこかに行ってしまった。


「ユウ様すみません」


「いや、別にいいんだが。ほっといていいのか?」


「はい。今追いかけても何も変わらないと思いますので」


「そうか」


 その後の見回りは特に問題も起きなかった。優は龍王に部屋を借りアクセサリーを作る事にした。神界にいた時も色々と作っていたので作る量はそんなに多くなくてすんだ。


 優は2時間程で足りなかった分のアクセサリーを作り全てに同じ付与をしていき龍王から順に配って行った。


 アクセサリーを配り終えたあとは龍族達を何人か連れて危険な魔物を討伐するついでに少しずつ龍族達のレベルを上げていった。そしてこの日は今朝と同じように魔獣などの肉を焼いて龍族達に振る舞い一日が終わった。


 優は龍王に2日程城に戻ることを伝えた。


 そして、2日後優は龍族達の元へ戻り今度は自分達が住む家ではなく、商売などをする為に必要な家を龍族達と一緒に作って行った。


 あれから1週間、優達は家や魔物の討伐などをして過ごしていき、壁の内側は本格的な街になってきた。


「ユウ様、街を作っていただき有難いのですが食料などはどうしたらいいのでしょうか?」


「それを今から話そうと思ってたんだ。肉とかは外に出れば魔獣とか魔物とかがいるからどうとでもなる。だから野菜とかをこの街の端の方に畑を作りそこで作って貰おうと思うがいいか?」


「いいですが、私達は作り方を知りませんよ?」


「俺が教えるから大丈夫だ。それに、落ち着いてきたら俺があとから信用出来る人でも連れてきてやるから」


「はい。分かりました」


 優は龍王をあわせ器用な龍族を数人連れて何も作っていない端の方に移動して畑の作り方と、どうやったら沢山とれるかを1から説明していき、一緒に畑を作っていった。


「ユウ様野菜を作るための種はどうするのですか?」


「何個か俺が持っているからそれを渡す。あとは、俺が何処かの国で買ってからここに持ってくることにするよ」


「分かりました」


 異空間ボックスから種を取りどんな野菜かを説明していき作り方も説明して行った。


ここに来てから中々濃い数日だったな。意外と楽しかっからいいが。そう言えばあの猛反対してきた龍族はどうなったんだろうか。おや?もしかしてフラグを建ててしまったか?何やら少し遠くの方から龍族だけどそうじゃない何やら変なのが猛スピードで近づいてくるな。


「龍王ちょっといいか?」


「なんでしょう?」


「実はな今こっちの方に猛スピードで近づいてくる龍族がいてな。だがなんか、様子が変なんだよ、だから俺が様子見てくるから一応子供とかを守ってやってくれ」


「分かりました」


 その場で飛び上がりこっち近づく前に優から向こうの方に飛んで行った。


 飛んでいるとすぐにそいつとあった。


『久しぶりだな人間』


「お前はあの時の龍族か?」


『そうだ!今や俺は龍王様より強い存在になった!貴様では手も足も出せないほどにな』


「ふーん、そうか。それで、何の用だ?」


『ちっ。俺がここに来た理由は貴様を殺すことと、あの街を壊すことそして、龍王様を殺し俺が新たな龍王として龍族の頂点にたつためだ』


「あっそう。まぁ、その程度じゃ無理だろうな」


『ふん、そう言っていられるのも今のうちだ』


まぁ一応ステータス見てみるか。


マセイ レベル:190

性別:男

年齢:90

種族:龍族

職種:邪龍

体力:700000

魔力:600000

筋力:800000

俊敏:600000

魔耐:800000

物耐:900000

属性:火 風 闇

スキル:威圧 咆哮 風圧 火属性耐性 身体強化 邪気 限界突破 自己再生 斬撃 人化

称号:【???】【闇堕ちした者】【邪を受け入れた者】


なるほど。確かに龍王より強いな。それに、邪龍って。あと、称号に???で見えないものがあるな、これはもしかして新たな敵か?これまた面倒くさっ。まぁいいか。


『龍王いいか?』


『その声はユウ様ですか?』


『あぁ、そうだ。それよりもだ、この間こっちに来て俺の事を認めないとか言ってどっかに行った龍族いただろ?』


『はい』


『あー、そいつがな、邪龍になってるんだわ』


『そ、それは、本当ですか!?』


『あぁ、残念ながら。しかもだ称号に見えないものがあるんだよな。それはいいとして、なんか俺を殺して龍王を殺して俺が龍族の頂点にたつとか言っててな、それで今のお前じゃ多分勝てないからこのまま俺が戦っていいか?』


『はい。分かりました。すみません私があの時ちゃんと説得していればッ!』


『いいよ、気にするな。これも俺がまいた種だ。で、どうする?殺さず捕まえるか?それとも殺すか?まぁどっちでもいいが1回こうなったやつ多分戻らない、特にはこいつは無理なタイプだな。何がなんでも龍族が1番偉い、強いと思ってる俺が勝ったとしても無理だろうな。でどうする?』


『,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,一応捕まえてください。私が説得してみます。それでも無理そうだった場合は殺しても構いません。最後にチャンスだけ与えてやってください』


『わかった。ただ、お前が説得してる時俺が無理だと判断したらその場で殺すからな?』


『それで、構いません。お願いします』


『あぁ』


 優は邪龍の攻撃を躱ししていた。実はな龍王と話してる間邪龍はずっと優に攻撃していた。現在優は尻尾での攻撃を躱していた。邪龍は間髪入れず炎のブレスを穿いて来たが優はそれを氷属性の氷壁アイスウォールで防いでいた。だが、そのまま邪龍は突っ込んで来て氷壁アイスウォールを壊し止まることなく優へ体当りしてきたが優はそのまま上に上がり避けた。邪龍は勢いそのまま尻尾を優へ向けて振ったがそれをまた避けた。


『貴様避けることしかできないのか?』


「ん?いやそんなに攻撃して欲しいならするが死んだらすまん」


『ふん、所詮口だけだ。今だって俺の攻撃を避けることに必死じゃないか』


 優は邪龍の口撃をあまり聞いておらず、どのくらいの加減がちょうどいいかを考えていた。邪龍は攻撃の手を止めることなく次々と優へ攻撃していった。すると、邪龍は攻撃をやめ上へ上がり、空から大きくて大量の炎の塊を優へ向けて放った。優は避けようかと思ったがこのまま避けると森に大量の被害がでて龍族達に迷惑がかかると思い避けることをせず先ほどより大きな氷壁アイスウォールを分厚く作り全ての炎の塊を防いでいった。邪龍は全ての攻撃を防がれ少しイラついていた。優は氷壁を消し一瞬で邪龍に近づき手加減を入れつつかなり強い力で殴った。すると、邪龍は白目を向いて地面へ落ちていった。


ありゃ、死んでないよな?まぁ死んだら死んだで蘇らせればいいか。とりあえず拘束して龍王の所へ連れていくか。


 優は邪龍を拘束して転移でそのまま龍王の所に移動した。


 それから暫くたって漸く邪龍は目を覚ました。


『こ、これは』


「お前はユウ様に負けたのだ」


『う、嘘だ!人間ごときに負けるわけがない!貴様どんな卑怯な手を使ったぁぁぁ!』


「おい、いい加減にしろよ!お前はユウ様だけではなく我々龍族にも迷惑をかけておいてその言い方なんだ!」


『う、うるさい!お前もお前だ!龍王。そんな人間の言うことを聞きやがって!そ、そうか、お前達全員こいつに洗脳されてるんだな!待ってろ、今すぐ俺がっ,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,』


 優は龍王と邪龍の事の顛末を見守っていたが邪龍の言い草にこいつは無理だと判断しその場で首を斬り落とした。


「ユ、ユウ様!」


「龍王、こいつは無理だ。俺がお前達を洗脳していると思った時点で元には戻らないし今後また厄介事を持ち込んでくる」


「そ、そうかも知れませんが」


「諦めろ。いいかこれ以上放っておくとお前らが1番被害を受けることになっていたぞ?それに、多分こいつの裏には何かとてつもない奴が関わっている」


「わ、分かりました。私達の問題なのに解決して下さりありがとうございました。私は一旦家に戻ります。後のことを頼みます」


「あぁ、ゆっくり休んでこい。今後自分は何をすればいいか考えておけ」


「はい」


 龍王は家へもどり優は邪龍の死体を壁の外に持っていき龍族達がいない所で燃やした。気づけば日も落ちていたので優は龍族達と一緒に夕食を食べて自分が借りていた部屋に戻り就寝した。


翌日


龍王が優の部屋にやってきた。


「ユウ様昨日は申し訳ございません。昨日あの後考えました。私はここにいる龍族達のため頑張って行こうと思います。実は分かっていたのです。昨日ユウ様が連れてきて目を見た瞬間もう元に戻ることは出来ないと。マセイは若いが故に暴走したのでしょう。昔からやんちゃでしたので。昨日も本当は私達が始末を付けなければ行けなかったのにユウ様にやって頂きありがとうございます。今日からは切り替えて頑張って行こうと思います。これからもよろしくお願いします。」


「あぁ、よろしくなって言ってもずっとここにいるわけじゃないけどな。まぁこれから頑張れ。困ったことがあれば俺に言ってこい」


「は、はい。あ、ありがとうございます」


 優と龍王は会話を終え外にでて龍族達の様子を見回り、ある程度街になり食料の方もどうにかなりそうだったので優は1週間ほど滞在した後城に戻り更にその1週間後にダンジョンへいき優は行動に移したのだった。

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異世界召喚されたと思ったら何故か神界にいて神になりました 璃音 @RionR

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