17.龍王

 優は現在龍族の背中に乗って寝っ転がりながら景色を眺めていた。


結構楽だな。けどこれ普通の人間が乗ったら寒さと風に耐えれないだろうな。もし人が乗るとしたら魔力障壁か結界がいるな。まぁ俺には関係ないけど。


 暫く流れていく景色を眺めていると龍族達が止まった。


「お?着いたか?」


『はい。ただしちょっと面倒なことになったかも知れません』


「どうしたんだ?」


『龍王様と他の龍族達がかなりの憤怒していますね』


「まぁ、そうだよな。龍神を騙して閉じ込めた奴と同じ種族の俺がお前達と来ればそうなるか,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,わかった、ここは俺に任せろ。お前達はここで待ってろ」


『分かりました。ではお願いします』


「おう」


 優は龍族の背から飛び降り下にいた龍族の真ん中に降り立った。すると、一斉に龍族達が優へ目がけ殺気を放ってきた。だが、優はその殺気を全く気にした様子はなく魔力感知で1番でかい魔力の存在を探し始めた。奥の方で一際目立つ存在がいたので優は威圧を飛んでいる龍族以外に向けて放ち何もさせないようにして龍王がいるであろう場所に堂々と歩いて行った。


「お前が龍王か?」


『いかにも。そういうお前は人間か?これ程の威圧など龍神様以外に受けたことがない』


「そうだなまずは、自己紹介からしないか?威圧を解くから攻撃はしないでくれよ?」


『あぁ、わかった』


優は威圧を解いた。すると、龍族達が次々と倒れていった。


「あー、悪いことしたな。でも、こうでもしないと攻撃されそうだったからな。それよりも先に俺のステータスを見てもらった方がいいかな。ステータスオープン」


 龍王は優のステータスを見た瞬間目を見開き最初に会った龍族と、同じように伏せた。


『先程までの我らの態度誠に申し訳ございません』


「いや、いいよ。そもそも、知らなかったんだしな。急に来た俺が悪い。では自己紹介をしようか俺は音無 優だ。よろしくな」


『私は龍王をしております、ドラグナと申します。ユウ様はどうして我らに会いに来たのですか?』


「それはな,,,,,,,,,,,,,,,」


 今日2度目になる説明を龍王にもした。


『そうでございましたか。』


「ところで気になってたんだが龍族の村とか国とかないのか?」


『はい。ありません』


「そうか。やっぱりあった方がいいよな。ちょっと待ってろ」


『なぁ爺ちゃんどっかにどの国のものでもない場所はないか?』


『確かあったぞ?そこから北西に600キロ離れた場所にどの国の物でもない土地があるぞ。ただ、そこは魔物達の強さが桁違いでの。誰も手をつけようとせん』


『なるほどわかった。ありがとう。まぁ魔物は何とかなるだろ?これだけ龍族もいるしな』


「ちょっといいか龍王」


『なんでしょうか?』


「いやぁな、北西の方にどの国のものでも無い土地があってなそこに龍族達の集落?街?を作ろうと思うんだよ」


『いいのですか?』


「あぁ、ただなそこに生息してる魔物の強さが桁違いみたいでな、多分龍族達なら大丈夫と思うが危険な魔物だけお前達と倒して回ってその後で作ろうと思うんだが大丈夫か?」


『大丈夫ですが、何もユウ様にそこまでして頂く訳には』


「いいよ、気にするな。俺がしたいだけだし」


『ありがとうございます』


「それじゃ移動するか」


『では、私の背中にお乗り下さい』


「わかった」


 龍王の背に乗り優は場所を教えてその場にいた龍族全員で移動することにした。

 飛び立ってから数分後ゼロスに教えて貰った土地に着いたので何処に作るのがいいか皆バラバラになり探し始めた。探している途中で危険そうな魔物を見つけたので倒そう思ったがその全てを龍族達が倒して行った。暫く探していると一際目立つかなりでかい木があり、その近くに街を作ることにした。


「なぁ、龍族達を全員ここに集めること出来るか?」


『はい。出来ます』


「それじゃ呼んでくれ。あ、あと、お前達って人化とか出来たりしないのか?」


『一応できますが人化すると、ステータスが大幅に下がってしまうのです』


「なるほどわかった。それじゃとりあえずお前を俺の眷属にする。それと、俺のスキルを付与したアクセサリーをお前達に1個ずつ渡しておくからそれを常に付けてろ。そしたら多分お前達のステータスは人化してもそんなに下がらないはずだからな。」


『あ、ありがとうございます!それと、龍族全員揃いました』


「それじゃとりあえず全員人化してもらっていいか?」


 龍族達は次々と人化していき優の周りに集まり始めた。何人かに空を飛んで見張りを頼み優は先に掘りと頑丈な壁を円を描くように作り内側に生えていた木や草などを切たりして何も無い更地にして道を作った。

 木などは端の方に寄せ龍族にどのような家がいいかを聞いて試しに家を一件建てて、その家を手本に各々協力しながら自分が住みたい家などを作っていった。


皆仕事が速いな。しかも今夜中なのに元気があるよ。このペースで行けば全ての家が朝までに出来上がるだろう。家具とかは俺が作ればいいか。


 そして、龍族達は手を休めることなく協力しながら家を建てていき朝日が昇ると同時に全ての家が完成した。


「龍王ちょっといいか?」


「なんでしょうか?」


「とりあえず皆の家が作り終わったから休憩しよう。それに、皆の腹が減ってるだろうから俺の異空間ボックスに入っている魔獣とかの肉を焼いて皆で食べようと思うんだが大丈夫か?」


「分かりました。私達の分の食事まで用意していただけるとはありがとうございます」


「おう」


 優は異空間ボックスからバーベキューセットを数個と先程狩った魔獣を取り出し解体して、数人に手伝ってもらいその場で焼いていき子供から順番に焼けた肉を渡していき皆で食事の時間となり皆美味しそうに談話しながら食べていた。


「ユウ様この後は何をなさいますか?」


「そうだな,,,,,,,,,,,,,,,これからお前達が寝るためのベッドを買いに行ってこようと思うから、それまでは休んでて貰うつもりだけど」


「分かりました。では見張りを交代ずつにして、何人かは魔獣や魔物の討伐に行かせようと思います」


「わかったが、あまり無茶はするなよ?」


「はい」


 ゼロスに頼み神界に行くことにした。


『爺ちゃんそっちに行く用が出来たから頼んだ』


『うむ。わかった』


 一旦目を瞑り再び目を開けた時には神界にいた時に住んでいた玄関前に立っていた。


なんか、すぐに戻ってきてしまったな。まぁ、いいか。


 玄関を開け中に入っていった。


「ただいま」


「あ、おかえりなさい」


「おかえりなさい。優くん。帰ってくるのが早かったわね」


「まぁな」


 出迎えてくれたのはミルとフルールだった。


「所で他の皆は?」


「まだ寝てますよ?」


「でも、神って寝なくても平気じゃ無かったか?」


「それが、優くんと暮らしている時皆寝食をするってことが癖になっちゃったみたい」


「あー、なるほど」


「ところで、優さんは何か用があったのではないですか?」


「そうだった。ミルこの家にある家具をそれぞれ1000個ずつ作れないか?」


「出来ますが、どうしてそんなに?」


「いや、実はな龍族達の街を作っててな家は出来たが家具が一個もないんだよ俺が作るのもいいけどかなり時間がかかりそうだったからなミルに頼もうかと思って」


「なるほどそういう事でしたか!分かりました。リビングで少し待っててください」


 ミルは一旦家を出ていきフルールとリビングに向かった。リビングにはゼロスもいて3人で会話をした。主に向こうの世界に行ってからの出来事をなどを話していた。

 暫く会話をしているとミルが戻ってきて外に来て欲しいと言われたので優はフルールと一緒に外に出た。外に出ると家具が一面に広がっていたので優はその全てを異空間ボックスに入れて行った。


「ありがとな!それじゃ戻るわ」


「分かりました。今度埋め合わせをしてくださいね?」


「あぁ、わかった。フルールも朝からありがとな。それじゃ今度は龍神を助けた後に一緒にここに来るからその時は頼むな」


「それじゃ、帰って来るのは約1ヶ月後ってことね!わかったわ。気をつけてね」


「あぁ。それじゃミル頼んだ」


「分かりました。行ってらっしゃい」


「行ってらっしゃい」


「行ってきます」


 龍族達の街の近くに送ってもらいそこから飛んで龍族達いる場所にいきそれぞれの家に家具を置いていった。


「ユウ様ありがとうございます」


「いや、いいよ。それよりも俺少し眠いからどっか部屋を貸してくれないか?」


「では私の家で休まれてください」


「わかったありがとう」


 龍王に案内してもらい優は客室?で休むことにした。

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