16.龍族
優が最下層に来てから1週間が経った。
「ねぇ、ユウこれから何処に行くつもり?」
「そうだな、とりあえず龍族達に逢いに行こうと思ってる」
「なんで?」
「龍族達がお前の事凄く心配してたからな。やっぱり最初に会っといた方がいいだろ?」
「確かに。今龍族がどうなっているか私も気になるし」
「そうだろ?」
「でも、ユウってこの世界に来てから1ヶ月ぐらいしか経ってないよね?なんで龍族のこと知ってるの?」
「そうだな、俺がこの世界に来てから5日目の事だったかな,,,,,,,,,,,,,,,,,,」
そう、優達がこの世界に召喚されてから5日目の事、優は暇になったのでゼロスに何処か面白い所はないかと聞いたら龍族に会ってみてはどうだと言われたので行って見たのだった。
『それで、爺ちゃん。どっちに向かえばいい?』
『優よその前に自分の分身を置いていった方がいいと思うが?』
『確かにそうだな。てことで爺ちゃん何かいい方法はないか?』
『そうじゃな創造生成でホムンクルス見たいなのを作ってはどうじゃ?』
『なるほど。わかった』
優は鏡を見ながら自分の分身を作った。そして、優はそのホムンクルスに命令をして、自分が付けている腕輪をホムンクルスの腕に付け窓から外に出た。
『それで、爺ちゃん何処にいるんだ?』
『1箇所に固まって生活してる訳ではないからのう。まず龍王に会うといいが。場所は北の方に直線で80キロ行った所にある山におるの』
『わかった。ありがとう』
言われた通りに空を飛んで行った。
んー、このスピードで飛び続けたらどのくらいで着くだろうか?まぁ、いいか。
優が城を出て暫く飛んでいると1つ目の山が見えたので降りてみることにした。
『爺ちゃんここであってるか?』
『違うが龍王はおらんが龍族ならおるみたいじゃ』
『そうなのか。なら龍族を探して一緒に行くか。で何処にいるんだ?』
『それぐらいは自分で探す方がいいと思うがの。気配察知や魔力感知を使ったらすぐに分かるぞ』
『わかった』
魔力感知を使い探してみると、そこにいるどの魔物の魔力より一際目立つ存在が数体いたのでそちらの方へ歩いて行った。
暫く歩いていると数体の中でもずば抜けて魔力が高い一体が優の方へ近づいてきた。姿はドラゴン?龍だった。
『何用だ人間』
「んー、そうだな。お前達に会いに来た!と言うより龍王に会いに行こうとしてた所に何体かの気配があったから先にこっちに来たって感じだな」
『龍王様に逢いに行くだと?たかが人間如きがふざけるのも大概にしろよ』
「ふざけてないんだけどな。龍神について聞こうかと思っただけだし」
『貴様、今何と言った?』
「ん?いや、だからな龍神について龍王に聞こうと思っただけなんだよ」
『今度は何だ!まさか龍神様にまた何かするつもりか!二度と動けない体にしてやるっ』
その瞬間龍族が優目がけ口から炎をだしてきた。だが優は慌てること無くそれを飛んで交わした。
「危ないな。いきなり何すんだよ!」
『貴様ら人間が龍神様にまた至らぬ事を考えているからであろう!』
「いやいや、違うから。そもそも逆だし」
『ふん。そんな見え透いた嘘に引っかかるとでも思ったか!』
「いや、だから、って危ねぇ。落ち着けよ」
『知らん』
龍族は止めずに次々と攻撃を優にして行った。炎を出したり、尻尾で攻撃したり体当たりしたりなど色々な攻撃を飛びながらしていた。だが、優はそれら全てを防いだり避けたりしていた。
『逃げてばかりだな?どうした?』
「いや、だって戦いに来た訳じゃないしな」
『ふん。そんなに話したいなら私を倒して見せよ!』
「えぇーめんどくさいがそこまでしなきゃ話を聞いてもらえそうにないな。だったら」
優は攻撃をする訳ではなく、手加減などせずにピンポイントで威圧をその、龍族に向けて使った。すると、龍族は体を震わせながら地面に降りた。
「おい、これでいいか?」
『き、貴様、一体,,,,,,,,,何者だ,,,,,,本当に人間か?,,,,,,,,,,,,ここまで濃密な威圧など龍神様以来だ,,,,,,,,,いや、若しかすると龍神様以上かもしれん,,,,,,,,,,,,』
「んー、そうだな、ちょっと待ってろ」
優はゼロスに相談してみることにした。
『なぁ、爺ちゃん俺の事教えていいのか?』
『いいんじゃないか?それを決めるのは儂達じゃなく優じゃからな。でも龍族になら教えてもいいと思うがの』
『んーそうかわかった』
ゼロスとの会話を終え龍族に向き直った。
「なら、俺のステータスでも見るか?とりあえずステータスオープン」
優が龍族にステータスを見せることにした。龍族はユウのステータスを見た瞬間さらに震えだし冷や汗をだらだらとかき始めた。そして、龍族は地面に伏せた。
「ん?ど、どうしたんだ?」
『ま、まさか、龍神様と同じ神だとは,,,,,,,,,,,,,,,先程までの態度誠に申し訳ございません』
「い、いや、別に気にしちゃいないが。とりあえず頭を上げろ。それで、俺の話を聞く気になってくれたか?」
『はは!それで、龍神様と龍王様のことでしたね。それよりもその、威圧を辞めては貰えないでしょうか?』
「あ、あぁ、すまん」
『ありがとうございます。とりあえずここではなんですから私達のねぐらに移動しましょう』
「わかった」
『では、私に乗ってください』
優は龍族の背に乗りねぐらまで連れて行ってもらった。少しすると、数体の龍族を発見した。優を乗せている龍族はそのまま他の龍族がいる場所へと降りていった。
『おぉ漸く戻ったか』
『ん?その人間はなんだ?まさか、お前操られているんじゃなかろうな?』
『いや、違う。此方は龍神様と同じく神だ。無礼な態度をとるなよ?』
『は?何言ってんだ?』
『大丈夫か?』
『ユウ様アイツらに向けて一旦私にしたように威圧をしてもらえませんか?』
「ん?わかったが」
他の龍族向けて先程と同じように威圧を放つとどの龍族も震えだし冷や汗をかき始めた。数体は何とか意識を保っている状態だった。
『ありがとうございます』
「こんなんでいいのか?」
『はい』
『な、なるほど』
『確かにさっきの威圧は龍神様と似ていた』
『もしかすると龍神様以上かもしれんな』
『ユウ様一応ステータスも見せてもらってもいいですか?』
ステータスを見せるとその場にいた全ての龍族が優へと頭を下げた。
「あー、そろそろいいか?」
『あ、はい。で龍神様と龍王様のことですよね?』
「あぁ、そうだ。実はな,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,」
優はこの世界の人間じゃないこと召喚された事、神界にいた事まで話した。そして、神界からこっち世界に来る時に龍神を助けて欲しいと頼まれた事まで話終えると数体の龍族は何故か涙を流し始めた。
「って、事だな。で、なんで泣いてるやつがいんの?」
『多分やっと龍神様が助かるとわかったためだと思います』
「そ、そうか。まぁ、そう言う事だから龍王にあって龍神の、事を聞こうかなって思ったんだよ」
『なるほど話は分かりました!でしたら私達が龍王様の所まで案内させていただきます』
「おぉー、マジか!助かる。ありがとな」
『いえいえ。それでは私の背にお乗り下さい龍王様の所まで送って行きますので』
「わかった」
優は龍族の背に乗りその山にいた。龍族達全員が飛び出し龍王のいる方向へ飛んで行った。
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