そして、明日

夢うつつ

 夢とうつつ狭間はざで、私は戸惑っている。


 もしかしたら、夢の名は女王という名前の方だったのかもしれない、と。

 夢から目覚めたら、私は窓辺の花の鉢植えに戻ってしまうのかもしれない。

 私という女王の一生は、ジャスミンに似た香りの浮気な花が見た夢の名だったのかもしれない、と。



 風が吹き、勝ち誇るように咲いていた白い花の一輪が、夕闇にいだかれるようにはらりと落ちた。

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夢の名前  水玉猫 @mizutamaneko

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