静かな語り口で紡がれた、綺麗な話です。
以下、もしかしたらネタバレに通じるかもしれない気づきを書きます。
主人公の視力については前編の半ばに仄めかしてあるので、読み手にも分かります多分。
人物二人の会話がどちらも同じような口調だったため、後編になってようやく相手が男性であることが判明しました。
それまでも手の大きさには触れられていましたが、主人公が高貴な身分の少女なのかとか、ジャンルの確認をしなければ違う方向の想像を導いてしまう可能性もあります(まあ、気にする方が少数かと思いますが 笑)
読後の謎としては、前編の最後にたどり着いた場所はどこか、ということ。
丁寧に扱ってもらえるというのは、男女間の話なのか別のことなのかということ、医師ではない人が術後の包帯を取っていいのかということでした。この男性が、そもそも医師なのかな?
以上のような細かい気づきはありましたが、全体としては、淡々としていながら熱を孕んだ主人公の感情が丁寧に描かれていて良かったです。