※前作を読んだ後に、こちらを拝読しました。
幼なじみが居なくなった。
小さい頃からずっと一緒で、いつしかお互いが異性として顔を合わせはじめたころに。
本作の主人公は、前作のとどこか似かよっていて、頑固なのに素直な青年です。
そして幼なじみは、主人公の世話が好きでした。
毎朝起こしてくれていたのに、今は一人で起きれる。
いなくなって初めて気がつくことが、彼にはたくさんありました。
そんな悩める「彼ら」に、親友が紹介したのは、ギャル風の女子高生と、ネーミングセンスが抜群な喫茶店を営む姉。
待ってました! と言わんばかりに、読んでいて胸が踊りました。
前作のメインキャラクターは、スピンオフでは無敵。それを体現するように、彼女は主人公たちの悩みに対して、優しく紡いでいく。
そして、主人公は、運命を背負う覚悟を決めることが出来たのです。
儚く切ないお話。なのに、スピンオフならでは特徴を存分に生かしてくれているから、読んでいて希望が持てる物語。
素敵なお話をありがとうございます。
にぎた
作品の雰囲気からしてラブコメかなと思いましたが、いい意味で裏切られました。
ストーリーと設定はラブコメの王道ですが、心理描写や細かい視点が巧みな為、一気に物語の世界に引き込まれます。
軽いタッチの文体ながら、描かれる内容は決して軽くないのは、作者さまの力量がなせる技だと唸されました。
惜しい点は、作者さまも言及されている通りに一万文字の縛りがあったことではないでしょうか。
素晴らしい作品なだけに、縛りをなくして自由に描かれたら、きっと作品のコンセプト通りに『化ける』作品だと思います。
ラブコメですが、ラブコメにしてはちょっと珍しく泣けるストーリー。みなさまもぜひ味わってみてください!!