グミ撃ち魔術師

主人公が下級魔法(熟練度最大)を湯水のように撃ちまくる、所謂「グミ撃ち」戦法の使い手。自信を喪失したベジータと言うと分かる人には分かっていただけそうです。
そのベジータ主人公、限られたリソースを何とかねじくり回して状況を打破するような、「器用貧乏」らしいことはほとんどしておらず、大体火力で正面突破してしまいます。グミ撃ちらしからぬ上級モンスターや大軍の殲滅っぷりは見ていて爽快です。
が、反面戦闘を全部グミ撃ちで片付けてしまうので、山場の盛り上がりはほぼ主人公の掛け声で終わってしまいます。心理戦などの要素は今のところ皆無。そのため、戦闘シーンをじっくりと読みたい人にはいささか物足りない部分があるかと思われます。
尚、戦闘シーンのカッ飛んだ火力に反して主人公はヘタレで優柔不断でどうしようもないくらい凡人です。無闇にいじられて無闇に炎上し、火消しもせずにその場から逃げてしまいます。読んでいると横っ面をグーで張り飛ばしたくなること請け合いの、グミ撃ち魔術師にふさわしい泥臭くて人間臭い気質の持ち主だと思います。

とにかくスカッとぶっ飛ばされていく敵が見たい・ピンチからのざまぁ展開(ただしモンスター限定)が見たい方向けの作品です。