1章まで。
スチームパンクとのことで拝読しましたが、思ってたんと違うと言うのが個人的な感想でした。
まず主人公。彼はアイカメラを持ち、マイクで発声し、内燃機関を持ち、特殊な燃料を燃やした電気で動く、どちらかといえばサイバーパンクとかディーゼルパンクに近しい世界観の持ち主です。古い世界観に取り残されたオーバーテクノロジー、個人的な性癖としては好きな部類ですが、純粋にスチームパンクが読みたい方には受け付けがたいかもしれません。歯車使ってるくせに殴られて歯車出てこんのかいって何度か思いました。
世界全体に関しても然り。まだまだ序盤であり、描写が人物の心情や動作に偏りがちなので正確には判断しかねるものの、現状脳内イメージはディストピアやポストアポカリプスの様相を呈しています。少なくとも、スチームパンクにあるはずの蒸気の熱や歯車の軋みはまだ作中から感じ取れません。装甲が割れたり配線が千切れて電気が飛び散る様はありありと浮かぶのですが。
現状、これに正規の名札を打つにはあちこち部品が足りていないし余計な部品がくっついたままの、レストア最中のスチームパンクと言った風情です。今後これがどのように組み上がって旺盛な蒸気を噴き出してくれるか、座して待っております。