第10話 夢のある男 お茶会にて

色取り取りのバラが咲き誇るバラ園では、二人の少女が紅茶を嗜んでいた。

どちらもブロンドの髪だが、来ているドレスが存在の違いを際立たせていた。

お姉様と呼ばれる少女は青いドレス。妹と呼ばれる少女は赤いドレスである。

二人の少女は鈴の音を思わせる声で談笑をしていた。


「まあ、とってもロマンチックですこと。

 星をプレゼントですって」


「まるで我らが父の如き振る舞いね。

 わたくしの可愛いシェーナ」


お茶会の話題は男の話だった。

少女たちは男の愚かさを、とても楽しそうに話していた。


「クスクス。女を射止めるのに星を差し出すなんて、

 とても素敵な男ですこと」


「クスクス。そうですわ、お姉様

 でも、そのような事ーーー」


「「我らが父以外の下男が願っていい事ではありませんわ」」


少女たちの目に狂気が孕んでいた。

嫉妬。憎悪。嫌悪。

様々な悪意が愚かな男に向けられていた。

そうして二人の少女は飽きる事なく、愚かな男について語り合っていた。

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崩壊少女 〜底辺の私が女神様に願いを叶えて貰って世界の支配者、世界は今日から私のもの「あなた達、私は偉いのよ!」〜 片道三時間 @4386

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