第4話
落下の痕跡があった場所は森林だった。火のついた機械部品などのせいで木が一部燃えていたので、軽く消火する。
この森はそれなりに大気中のマナ濃度が濃く、レーダーが効き辛い。
今回報告を受け破壊命令が出たものは世界議会による法令の一つである『2つ以上の共鳴機構を搭載した兵器の開発の禁止』に抵触する機体の破壊である。
そして今はその痕跡の調査をしているところだ。
「何か手掛かり無いかなー...ん?ちょっとユーリ!あれ!?」
「どうした、イルマ?っと、あれか...」
落ちていたのはエレメタルの装甲によく使われる金属の破片だった。恐らくターゲットのものだろう。その破片を拾い上げる。
「やったなイルマお手柄だ。この近くに......ッぐあ!!」
「きゃああぁぁ!!」
突然手に持っていた金属片が爆発した。秩序には大したダメージはないものの爆風の影響を受けよろけてしまった。
するとよろけた隙に足元に素早い打撃が入り足を掬われ転倒する。
「グッ......敵襲か!!敵はどこだ!!」
「ユーリぃ!レーダーに反応ないよっ!!どうゆうこ!?」
「慌てるな!!恐らく木に隠れている!!ならば......」
腕の装甲の中に収納されている光剣を起動し更に伸ばし、周囲の木々を薙ぎ払った。するとやはり森の中に伏せて隠れていたと思われる敵の機体が跳びだした。
両腕部に金属の爪を装備し、何かの魔獣のものであろう毛皮をあしらい、胴は異様に縊れ造形美を無視した様なその姿は正に獣。若しくは蛮族であった。
それもそのはず、活発に動いているその共鳴機構の反応は、
「その反応、議会のデータベースにあった。≪
秩序に搭載されているスピーカーを通して声を出す。
「御ォ明察ぅぅ。どうだい、この≪
敵機から聞こえる男の声は野性的で暴力的な色を含んでいた。機体の名である反摂理はまさにこちらに喧嘩でも売っているかのような名であることだ。
「言い訳の時間は無い。お前は即座に破壊する。」
『結論;賛成72、反対2、無回答26、議長無回答により対象の破壊で可決されました。即座に破壊してください。出力70%で戦闘を開始します。』
「来いよぉ、秩序ァ。ツマンネー負け方すんじゃねぇぞ!!」
秩序と反摂理、光剣と鋼爪が交わった。
共鳴機構 四々十六 @isoroku4416
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