第2話

ガチャ、私はできるだけ音を小さくして、家のドアを開けた。窓の鍵も開けられた様子は無く、まだ"あれ"は帰ってきてないらしい。すると、私の後ろから前にかけておおきな影が現れた。とっさに後ろを振り向くと、ぼさぼさの髪に、ヨレヨレのシャツ、そして片手にビールをもった…私の父がいた。

「よおぉー?なーんで家の前につったってんのかなぁぁ?!家、はいろっか!」そう言って父はゆっくりとドアを閉めた。するといきなり、「う"っ」ドカッと私の左頬を殴りつけた。

「なんで俺が自分で酒買いに行かなきゃならねぇんだよ!おめぇが家にいねぇからだろ?!お前のせいだよな?!なぁ!」と、理不尽な理由で私は、いつもいつも殴られる。

「やめっ…お父さ…!」喋る間もなく殴られ、蹴られ、そんな毎日を私は生きてる。それでも私にも希望はある。生まれてすぐに死んだというお母さんがくれた名前。

空高く飛ぶように育つようにという願いから

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