第11話 暗闇の追跡
「何でこうなった?」
俺の名前はライ。『道化のライ』なんていう、通り名も持っている。
リュウの兄貴のもとで、諜報活動して、帝国の奴ら手玉にとってたらついた名前だ。
俺の魔技は、早く走るとか、姿を眩ますとかという、戦闘には全く役にたたないもんだったから、少しでも、兄貴の役にたちたくて、無我霧中にやってただけだ。
だけど、大事な兄貴も守れなかったし、兄貴に頼まれた嫁さんも守ることが出来なかった。
手玉にとってたなんて、おこがましい。
ただの、へたれだ。
だから、ふたりの息子のショウだけは、俺が必ず守ってやる!
って誓ったその日に、さらわれて舞うなんて
何やってんの、オレ~!
よりにもよって、烏につれてかれちまった。
そいつは、突然現れた。
目の前に現れるまで、全く気がつかなかった。
俺の索敵にひっからなかったなんて、
俺も迂闊だったかもしれんが、間違いなく達人クラスだ。
「王さまを、倒せるくらいに強くしてやろう。」
そいつは、言いやがった。
王さまの部下のくせして何を言いやがる。
「強くしてくれよ!」
「何いってんの、ショウ?
そいつ、スゲーヤバい奴だって、お前分かってん?」
「かたきうつためなら、何でもやるよ。」
「交渉成立だな。
ふっ、
もとより連れていくつもりだったかがな」
烏は、ショウの襟を掴みと黒いマントを広げ、跳んだ。
林を跳び越えながら、高速移動していった。
マジかよ。俺の魔技でもあんな空を飛ぶように移動出来ねえぞ。
「
とりあえず、見失わないようにしなくちゃ。
って、追いかけてきたのだが、
完全に撒かれてしまった。
くそっ!
朝になって、回り見えるようになったのに、見つけらんねえ!
弟子にするつもりなら、すぐには殺されはしねえだろうが。
必ず見つけてやる。
行き先は、帝都だろうしな。
耐えてくれよ。
ショウ。
ハイテンションじゃいられない!(仮) だいきち @daikiti777
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