核帝龍の邪神妹と結婚するルルブの考察

長い空白の後の返事。

「違う。私はただ無能で何もしていないだけだ」

「全力で無能になろうと努力しなければならない義務を果たしているだけなのに?」

「それと無能の何が違うというんだ」

「新しい挑戦をしろといいながら服従のリスクを微塵も取る気がなくしかもリスクという言葉を政治的に配慮して投資できる事業に限定することしかできない連中への当然の態度ではないの?」

「物資の調達はアルバイトの底無し感を差し引いても商人の本能だ。彼らに戦後の国際秩序自体が悪だと言ったところでなんの意味がある。目の前の状況も解決できない怠け者の床屋談義だ。そのおかげで経済が優位であり続けているというのに」

「だから機関的な部分ではもうどこぞの国と同じように外国人を拉致して無理やり働かせようとすることしかできなくなっているんじゃないの?」

「それを奴等が悪いことをしていると感じているとでも言うのか?自分達は今まで必死に頑張ってきてきたのだから当然の報酬を得ていると考えるはずだ」

「自分の言葉があるじゃないの」

「民主主義が進めば技術への欲求と欲望の質が取り違えられることは知っていた。それは情報のコストパフォーマンスとデータ収集の精度の混同についても言える。崩壊期には傭兵紛いの行為が増えて中傷と訴訟の区別がなくなりただ有名に成りたいというだけのスキャンダルを起こす低劣さが支配的になるというのも理解できる。そして有能な独裁を行う組織化が行政によって一切不可能になり政体は腐敗以外の何者でもなくなるということも予知していた。こんなことは誰でも理解できる。だからなんなのだ?何をすればいいというのだ」

「ゲームをすればいいのよ」

「…………」

「そうあなたは結局わかっている。労働者が自分達の権利を放棄するなどあり得ないということを。本当は勝利したのは我々である彼らでありだからこそ行き詰まっているのだということを。依然としてあらゆる価値観の根底は生存していくことが第一であるという命法の継続でしかない。もちろんそれは重要で貨幣の流通による近代生産の発展が物資の豊かさを保っていることは揺るぎない事実。でもそれは人を動かすものではないし企業による娯楽は統治という概念を理解することはない。故に潜在的な労働力として子供の想像力を解放するという希望が語られ続けることになる。子供の虐待は大審問官の続きにすぎないがそれでも世界の調和を乱す神への懐疑として必要であろう。子供を助けるための屁理屈は無用だしね」

「知ったような口を」

「あなたが思っていることを代弁しているだけよ」

「戦争の歴史が追求されるのは現在の闘争には目を向けないからにすぎない。技術開発とは解放の娯楽なのだから生活を副産物で豊かにしている以上それはいいだろう。だが核兵器を使った戦争では敗戦を軍隊で撤回できないというのは本質的だ。植民地戦争ならそれを挽回できるというのは制海権の経緯をまるで無視している論法にしか見えない。領土問題とはつまるところ軍隊は世界を包括できるかという挑戦にすぎないのだから」

「大局的すぎます。幻想の領土を開拓するロマンは残存しているのでは?」

「神を憎むということが自分の魂の衣装を憎むということだと理解しないうちはそうだろう。神を嘆きの道具としてしか利用しない復讐がありその存在に悲しみの敬意が存在しているのなら寛容は社会とは無関係に伝承される。それでも世界の暴力を自然的に使わないようにするための政治ではなく暴力が世界への犯罪になる憲法しか贖罪の興味がないから可能性を限界まで高める侵犯が目指される」

「その知ったかぶりを利用してゲームをすればいいんじゃない」

「ゲームマスターはがそれはプレイヤーの対応によって世界が知識の総体として創造されるからだ。それは統一的な編集過程における歴史的な読解の反復ではなく行為の宣言が未来の折り曲げとして時間を歪曲していくような預言の交錯に基づいている。過去にあったはずの攻撃が未来の崩壊の定員として方法を措定する相姦の原理にメルトダウンは重複する宇宙の分岐を描く運命を構築する」

「無内容な脅迫の思想はもううんざりじゃなかったの?」

「なんのてらいもない神秘主義だ。上から目線の宿題だよ」

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