第6話

「私の噂ね。実は一部だけど、当っているの。みかって子がなかなかカンの鋭い子だから、嘘を言いふらす心算が、無意識のうちに当ててしまったのね。生まれつき私には特別な力があるの。それが災いして、よくないものに取り憑かれることが度々あるのよ。それによってまわりの人間を不幸にしたり、自分自身が不幸になったりってことはないんだけど。でもこいつらとにかく五月蝿いの。だからどっかに払いたいんだけど、払うには誰か他の人に押し付けなきゃだめなのね。本気で嫌いな人なら気にせず押し付けられるんだけど、最近そんな人に出会わなかったから。おかげで数十体ものよくないものに取り憑かれたままだったの」


「……」


「そこにあの三人がやらかしてくれたからね。私だけならともかく、まなちゃんの悪い噂まで流したから。そんな人はとことん嫌いだし、とことん軽蔑するわ。だからなんの遠慮も罪悪感もなく、よくないもの数十体を送り込んであげたわ」


「……それでおかしくなったのね」


「そう。普通の人間には見えないけど、あの三人には見えているのよ。悪霊、妖怪、化け物と呼ばれる存在がね。そいつらが自分たちの周りにたくさんいて、離れようとしないのよ。そりゃあ発狂しないほうが、どうかしてるわ」


「……」


私は思いました。


可能性はほとんどないとは思いますが、もしも私が純ちゃんを本気で怒らせるようなことがあったら、私も同じ目にあうのだろうか。


そんなことを考えていると、純ちゃんが言いました。


「それは大丈夫よ。まなちゃんはなにがあっても私を怒らせるようなことは、絶対にしないから」



その後、みか、ちか、さやかの三人がどうなったのかは、私は知りません。



       終

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本当にあった怖い嘘の噂 ツヨシ @kunkunkonkon

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