最終話 妹彼氏 その後
あれから2年の月日が経った。
私はあれ以降相変わらず彼女がいない生活が続いていた。
しかし1人きりの生活か、といえばそうでも無く、
「おいちょっと暫く泊めろや」
妹が泊りに来たり、
「お兄さん、すみませんが少し泊めて下さい」
柳原君が泊りに来る、といった有難くない事態が常態化してしまっていた。
どうやら夫婦喧嘩をすると私の所に泊まりに来る、といった具合になってしまったのだ。
やれやれ。
本当に困ったものである。
それは彼らに子供が出来るまで続く事になるのであった。(子供が小さいうちは来なかったが小学生になると子供まで来る様になってしまう)
そして今日も柳原君が来た。
「お兄さん、また少し泊めて頂けないでしょうか」
その度に大きくため息が出る私。
彼女は出来ないし、妹や妹旦那と同居しなくちゃならないし。
妹よ。
君は凄い人を生涯の相手として選んだものだなぁ。
本当に心底そう思う。
柳原君を家の中に招き入れ、ベランダから何気なく外を見た私。
季節は盛夏。
涼しげな風。
快晴の空。
白い飛行機が空高く上昇して楽しそうにどこかへ飛んで行く姿を私は静かに見送った。
彼女が出来る。 妹彼氏と同居する。 今村駿一 @imamuraexpress8076j
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