両親は激怒した。
必ず、無知穀潰しの息子を除かねばならぬと決意した。
母はどこで教育を間違えたかわからぬ。
息子は、我が家の寄生虫である。
竿を抜き、二次元で遊んで暮らしてきた。
けれども課金への罪の意識に関しては、人一倍に鈍感であった。
きょう未明息子はリアルを出発し、野を越え山を越え液晶の壁を越え、次元離れた嫁のガチャを引きにやってきた。
息子には職も学歴もない。
彼女もいない。
十六の、掛け持ちするスマホゲームの中の嫁と虚無ハーレム暮らしだ。
この虚像は、運営のアップデートによって、近々一人嫁が増えることになっていた。
実装も間近かなのである。
息子は、それゆえ、ガチャ用のiTunesカードやらGoogle Playギフトカードやらを買いに、はるばる最寄りのコンビニにやってきたのだ。
っていう話かどうかは別として、とりあえずスリッパを履けよと主人公には言いたかったです。
名著「走れメロス」がニートというエッセンスによってどう料理されたか、是非ともご覧ください。