第14話 エピローグ
マコトたちはいつも夜空を見上げるゴミの山の上に居た。
新月のこの日、夜空には雲ひとつなく満点の星空が広がっている。
星は夜空一面に輝き、瞬き、寄り添いながら空を埋め尽くしている。
そういえばさ、最上階の最終問題の時さ、リーダーの一騎打ちの時、あの時何があったんだ?
星空を見上げながら、そうユウがミノリに訊ねた。
そう、あの最終問題で、ミノリは表情が曇って、それから手を上げて、司会者に向かって何かを決意したように力強く言葉を発したことを、マコトもよく覚えている。
ああ、あれな、希望の島中学校チームは棄権しますって、そう宣言したんだよ。
そのミノリの言葉に皆驚驚き、一斉にミノリの顔を覗き込んだ。
ミノリが続ける。
5問先に正解したチームが勝ちってルールだっただろ?あれさ、問題を落とす度に自分のチームからメンバーを1人脱落させるってルールだって言うんだぜ、つまり俺たち5人のメンバーがライフポイントになっていて、相手のライフポイントを全部奪ったら勝ちってわけ、でも1問でも落としたら誰かがチームを抜けなきゃいけない、その誰かは優勝メンバーにはなれないって言うんだ。
頭来るだろ?
このメンバー全員で優勝しなきゃ意味ないんだよ、だから棄権したんだ。
星空を見たまんま話し続けるミノリの言葉を聞いて、マコトたちもまた再び星空に視線を向けた。
何だろう、見慣れた星空が今日は一段と美しく見える。
皆しばしの沈黙、
その中マコトは何かを考えている様子だ。
そうだ。
流れ星に願い事を言ったら叶うんだって。マコトをわざと見ないように、そうミノリが呟いた。
直後、大きな大きな流れ星が、それは見頃に輝きながら流れた。
マコトは「◯△□…」と何か言った。
おいなんだそれ、面白そうだな!トモが目を輝かせた。
やろうぜ、ぜったい上手くいくって!、まずは方法を考えようとタツミが言った。
ユウはワクワクしてきたー!と興奮している。
ミノリは…ミノリはマコトを見つめていた。
そして口を開くと、マコトどうする?と言った。
マコトはコクンと頷いてから、よし!明日の放課後にみんなで職員室に行こう!と力強く言った。
満天の夜空に、又大きな流れ星が流れた。
流れ星の約束 希望の島と夢の島 @kamosan
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