第9話

良楽は仕事が終わり、店を上げ、原っぱに座った。頭の上には満天の星空が広がっていた。

草をちぎり、人生ってなんだろうと思った。仰向けになり、星空を眺めた。眺めているうちに良楽は悟った。太陽系がある銀河には、二千億個の星がある。更に宇宙には銀河が千億個以上ある。人の人生なんて宇宙の歴史から見ると一瞬でしかない。いや、一瞬でもないかもしれない。本当にちっぽけな存在。ちりにも満たないかもしれない。しかし確実にこの世に存在している。良楽は自分の存在に感謝した。自分を生かしてくれているなにかの大きな存在に感謝した。良楽は深呼吸をして祈った。

「神さま、このちっぽけな存在を生かしてくださり有り難うございます」

良楽は満天の星空の下、幸福だった。


地上に平和がありますように。

(完)

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「美ら海へ」 ヨシヤン @0715y

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