レベル1の勇者といって侮っていたわけではないのだが……(魔王談)

レベル1の勇者といって侮っていたわけではないのだが、いつの間にか吾輩がやられていたような気になるのだ。

やられたと言っても、物理的にこの魔王がやられるはずもなく、いつでもこの勇者なら倒せるのだが、その……、試合に勝って勝負に負けたというか、果たしてこれは勝ち負けというジャンルで括っていいものかどうか。

まあ、とにかく吾輩は負けてはおらぬ、レベル1の勇者に負けてなどはおらぬのだ

この戦いでとても大事なものを得たかわりに、別の大事なものを失った、だだそれだけなのだ。


――などと、魔王君は意味のわからないことを供述しており、「あとは読めばわかる」と、白い毛玉と戯れているということです。現場からは以上です。

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