あとがき
【本編のネタバレが含まれています。未読の方はご注意ください。】
こんにちは。作者のいおりです。この度は小説「月色の眼球」に眼を通していただきありがとうございます。
実はこのあとがきには迷いがありました。なにか完成したものがあれば、作者が作品に対して込めた思いだとか、制作裏話を誰かに知ってほしいというのは割と一般的な考えだと思っています。しかし、僕も所詮はプロの足元にも及ばないアマチュア物書きですので、偉そうに書いてよいものかどうか迷っていました。
それでもやはり創作者として、先述したような考えに捕らわれていることは間違いありません。せっかく完成したのですから、少し作品について話したいと思います。
まず僕がすきなものは「綺麗なもの」です。それは風景であったり、物であったり、構造であったりと色々あるのですが、それを絵や図にして描いてみるとなんとなく綺麗だな、と思うようなものを書きたかったのです。
僕がこの作品の構想を考えついたのは四か月くらい前のことと思います。初期の構想では、本編の夢であった「ハルとミズキが家出していろんな景色を見て回るファンタジー百合」となっていました。その話は1部と2部に分かれていて、1部はハル視点、2部はミズキ視点の物語でした。また、眼がとらえる映像には個人差があるということをネタにしたかったので、ハルの見る世界は「見るものがすべて綺麗に見える」、ミズキは「すべて汚らしく見える」という設定にしていました。その初期構想から発展して、二人は本編のような性格となっています。(この構想はあまりに行き当たりばったりに書きすぎて書くことに困ったためボツになりました)
初期構想に困っていた時に、『SFマガジン2019年2月号』(早川書房)という雑誌を目にしました。そのテーマはなんと「SF百合」でした。
考えてみれば、僕の好きな小説の一つの「harmony/」もSF百合に違いありませんでした。
その時僕は「SFに百合はわりと似合うのではないか?」と思い、ミズキとハルの性格をそのままに舞台をSFにしてプロットを考えてみたら何とか完結する話ができました。(完結することは創作者にとって一番重要なことだと思います)結果としてはSF要素は思ったよりも少なくなってしまいましたが、まとまりのある話が書けたので良かったと思います。
なおプロットの段階では、「夢」の要素は少なく、ただ「ミズキとハルがいろいろやる話」というくそ大雑把な話でした。これではあまりにひねりがないと思い、書く中で段階でだんだんと夢の要素を詰め込んでいきました。この時ちょうどユング心理学の本を読んでいたため影響されたのかもしれません。覚えたての単語を使いたがる中学生のようです。
それと、実はプロットではこの話はバッドエンドになる予定でした。それは次のようなものです。
「ミズキはハルの眼をナイフでくりぬき殺す。ミズキは眼球をガラスケースに入れて部屋に飾る。しかしハルを殺した罪悪感から、屋上からの自殺を図ろうとする。それをサユキに止められて、ミズキは大きな罪悪感を背負ってこれからを生きていく」
しかし、バッドエンドは賛否を招くと言います。僕は後味の悪い終わり方が好きなので最初はこれでいいかなと思っていましたが、書いているうちにやっぱりハッピーエンドにしたくなったので変えました。(これは安易な賛否両論を避けるためでもありますが、ハッピーもバッドと同じくらい好きです)
最後になりますが、一部の登場人物にはモデルとなるキャラと名前の漢字表記が存在しています。内輪ネタのようなものなので興味のない方は読み飛ばしてもらって構いません。
ミズキ→
名前:
ハル→
名前:
サユキ先生→
名前:
まだ書きたいことはいくらかあるのですが、長くなってきたのでここまでにしておきます。最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました。
【2020/11/06 追記】
読んでいて気になったところとか、つたない部分を修正しました。
読んでて自分の性癖にぴったり合いすぎて泣いてしまった。誰これかいたの?俺??天才か???ミズキとハル、好きすぎる。
最近は別の作品を書いてはいるものの書きたいシーン以外まったく筆が進まず困ってます。助けて;;
月色の眼球 ゆんちゃん @weakmathchart
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