陰キャの頭は陰キャルス

@toriton0901

陰キャの衝突

陰キャとはなにか。陰と陽で別れるこの世界。「陰」の世界に「ヤツ」はいる。

コケコッコー!

ふぁ〜、よく寝た。

と「ヤツ」は跳ねた頭を掻きながら言った。

コケコッコーとは携帯に入れている目覚まし音である。

今日は4月8日。そう。おれのultraでsuperでmiracleでexcitingな大学のschool Lifeが始まる日だ。うっひょー!

身支度を済ませ、髪を整え、ちょっと高めの苦いブラックコーヒーを飲み干し、俺は家を出た。

ここまで見てみるととても生き生きとしたラブコメが始まるのだろうが、

ここで言っておく。

「ヤツ」は陰キャだ。

もう一度言う。「ヤツ」は陰キャだ。

友達は鼻の穴の数ほどしかいない。

もちろん交際経験ゼロ。

成績は中の上。

カツアゲ経験アリ。

オワコンな人生だ。

せめて角から桃色のロングヘアーの美少女がパンをくわえながら走ってこれば人生バラ色なんだろうが…。

え?なに?今のフラグ?え?俺の名前?俺はtriton。これの作者だ。これからチビチビ出てくるのでよろしく。ということで本編に戻ろう。


えっと、ここの角を曲がってそこのコンビニの少し先に大学があるんだな。よし、行くか。

「ちょ、カバン忘れた〜!」

と美少女らしき声が耳に入る。こういう展開は求めていないのだが…

待てばいいや。

すると角にいたので美少女(仮)と案の定衝突だ。

桃色のロングヘアーの美少女がそこに倒れ込んでいる。

「イタタ…すみません…って!?ハク!?ハクじゃん久しぶり〜」

ふぁ?×3てか、なんで俺の名前を…

「幼稚園の頃転校してってさ〜、覚えてる?私のこと?」

「あの…どちら様で?」

「え?覚えてないの?私だよ私!研畳惠留!けんじょうえる!」

「は?」

「は?ってなによ!?幼馴染みじゃない!?」

うわ。こいつ妄想やべぇな…

「そっか…噂はホントだったんだ。」

「え?」

「ううん。なんでもない。さっきは取り乱してごめんなさい。私とおなじ年くらいに見えるけど、大学生?」

「あ、はい」

「私は研畳惠留。エルって呼んで。あなたは?」

「俺は衛神破宮(えいがみはく)です。」

「あなた、針山大学?」

「ええ。そうですけど。」

「あ!よかった!いっしょだ〜!悪いけど道教えてくれない?」

「いいですよ。」

「ありがとう!善は急げ、麺は太めってね!」

おお、めっちゃ寒い…

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